広島県福山市のホテルプリンスで13日、死者7人を出す火災が発生したことを受け、国土交通省と消防庁は14日、旅館・ホテルの防災対策について指導を徹底するよう各都道府県に通知した。建築基準法に基づく定期報告制度の徹底などを業界団体に指導するよう求めている。
国交省の通知は「旅館・ホテル等に対する防災査察の重点実施」「定期報告制度の徹底」の2点。
査察については、過去に行った防災査察や定期報告で指導した事項が是正されていなかったり、定期報告が未提出の施設に重点を置いて防災査察を行うことを求めた。
また定期報告制度は、防災対策に極めて重要として、制度の運用の徹底を改めて求めている。
一方、消防庁の通知は「消防法令違反等の是正の徹底」「夜間における応急体制の確保」「火災予防対策の推進」の3点。
このうち火災予防対策は、(1)喫煙などの火気管理の徹底(2)暖房機器、厨房機器など火気使用設備・器具の管理徹底(3)階段、通路などの避難経路および防火戸・防火区画の管理徹底(4)寝具・布張り家具(ソファーなど)に防炎性能を有する製品の使用推進──の4点を挙げている。
福山市のホテル火災は13日早朝発生。鉄筋コンクリート造(2階部分一部木造)4階建ての建物が全焼。死者7人、負傷者3人を出す惨事となった。
また14日午後には福島県穴原温泉の旅館「山房 月之瀬」で火災が発生。死傷者は出なかったが、宿泊客、従業員ら約180人が避難する事態となった。