北海道平取町は7月25日、札幌圏からアイヌ文化の二大拠点である同町二風谷コタンと白老町ウポポイを結ぶ周遊バス「セタプクサ号」の運行を始めた。第1便には24人が乗車。経由地の新千歳空港で行われた出発式に参加した後、二風谷コタンとウポポイを巡り、アイヌ文化に触れる1日を楽しんだ。
周遊バスは、平取町がアイヌ民族の歴史文化に対する理解を広げると同時に、町の豊かな自然や産物をアピールし、観光と地域の活性化につなげることを目的に、国の交付金事業を活用して実施。札幌観光バスに運行を委託し、今期で5年目の実施となる。「セタプクサ」はアイヌ語で「すずらん」を意味する。車体全体にアイヌ文様を施した専用バスで、乗車定員24人。
JR札幌駅近くのホテル前を9時に出発し、新千歳空港を経由して二風谷コタンとウポポイを回り、18時過ぎに戻る。途中、温泉施設での昼食や車中でアイヌ文化の説明も行う。期間は9月16日までで、8月31日までは毎日1便(ウポポイ休業日の月曜と8月25日を除く)、9月1日からは土日祝日のみ運行。料金は乗車コースにより大人1人2千円と3千円、昼食とウポポイ入場券付きが6500円。
札幌圏と平取町とは約120キロ、二風谷とウポポイ間も100キロほどの距離があり、交通機関が十分でないことから周遊バスの役割は大きく、利用は増えているという。
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