日本政策金融公庫はこのほど、飲食、製造、小売など食品関係企業を対象に労働力不足の実態調査を行った。労働力不足の原因について(複数回答)「求人に対する応募がない」とする回答が86・4%と多くを占めた。飲食業、小売業で9割が回答している。
同公庫が行った「平成29年上半期食品産業動向調査」で、雇用労働力が不足と回答した企業1148社を調査した。
原因の2位以下は「離職者が多い」(25・4%)、「応募が見込まれる待遇での求人募集ができない」(24・5%)、「待遇を改善したいが資金面で不足」(14・9%)、「機械化・IT化したいが投資額が過大」(8・8%)、「機械化・IT化したいが資金面で不足」(4・5%)など。
「応募がない」とした回答を業種別に見ると、飲食業(95・1%)と小売業(91・4%)が9割を占める。このほか製造業が85・6%、卸売業が84・1%。
「離職者が多い」とする回答は、飲食業が48・8%と、ほかの産業に比べて多く、安定的な雇用確保が難しくなっている。
労働力が不足している職種は(複数回答)「商品生産(単純作業)」の62・0%が最多。以下は「商品生産(熟練産業)」(43・0%)、「営業・販売」(40・6%)、「流通や運搬に関する作業」(19・2%)、「総務・経理・人事」(14・7%)など。
労働力不足の解決策として効果が期待できるものは(複数回答)「労働条件の改善(賃金の値上げ、勤務時間の短縮等)」(69・7%)、「作業工程の機械化」(42・2%)、「外国人技能実習生の受け入れ」(30・9%)、「工程管理の見直し」(27・4%)、「福利厚生の充実」(24・1%)、「従業員への研修」(17・4%)など。