帝国データバンクはこのほど、「長寿企業」の実態調査を行った。業歴が100年以上の長寿企業は全国に2万6144社判明。今年新たに1410社が仲間入りした。業種別では旅館・ホテル経営が531社で、5位にランク。全体の2.0%を占めている。
旅館・ホテルでは、有限会社西山温泉慶雲館(山梨県)が西暦705年の創業で全体の3位。株式会社古まん(兵庫県)が717年で4位、有限会社善吾楼(石川県)が718年で5位、株式会社夏油温泉(岩手県)が1134年で9位にランクしている。
業種別で最も多いのは清酒製造の707社で、構成比2.7%。「人々に親しまれ、産業として定着した歴史が古いこと、参入障壁が高いために新規参入が比較的少なく、安定した経営を続けやすかったことが理由として挙げられる」。以下、貸事務所業(613社、2.3%)、酒小売(596社、2.3%)、呉服・服地小売(567社、2.2%)、旅館.ホテル経営の順。
規模別では従業員数10人未満が1万6287社で全体の62.3%を占める。年商別では10億円未満が2万1431社で、同82.0%。長寿企業は全体的に中小・中堅規模の企業の比率が大きい。
都道府県別の長寿企業輩出率は、京都府が3.96%で最も高い。以下、山形県(3.72%)、島根県(3.60%)、新潟県(3.58%)の順。「戦争被害が比較的少なかったことに加えて、古くから交易により商業や地場産業が栄えた地域が連なる」(同)。