日本政策金融公庫は11月26日、中小企業景況調査の今年11月調査分を公表した。それによると、中小企業の同月の売上DIはマイナス10.3で、2カ月ぶりにマイナス幅が縮小(好転)した。また売上見通しDIはマイナス4.9で、2カ月連続で上昇したものの、3カ月連続のマイナス値となった。公庫では中小企業の景況を「足踏み状態となっており、先行きについても慎重な見方となっている」としている。
調査は11月中旬、3大都市圏の同公庫取引先900社(首都圏454社、中京圏140社、近畿圏306社)に行った。有効回答企業は563社で回答率62.6%。
11月の売上DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値、季節調整値)は前月のマイナス12.4から2.1ポイント上昇のマイナス10.3。9月のマイナス5.5から10月は落ち込んだが、2カ月ぶりにマイナス幅が縮小した。
最終需要分野別では、6分野中、3分野で前月から好転。このうち食生活関連は前月のマイナス0.3から2.7へ、3.0ポイント上昇。プラス値に転換した。乗用車関連(二輪車を含む)は前月のマイナス37.9からマイナス0.5へ、37.4ポイントの大幅な上昇。建設関連は前月のマイナス16.0からマイナス10.0へ、6.0ポイント上昇した。
設備投資関連(機械・鉄鋼等)は前月のマイナス10.1からマイナス11.9へ、小幅な悪化。衣生活関連は前月の6.7から1.6へ、5.1ポイント悪化したものの、プラス値を維持している。家電関連(OA機器等を含む)は前月のマイナス6.0からマイナス14.5へ、8.5ポイントの悪化。最も悪化幅が大きく、3カ月連続のマイナス値となった。
今後3カ月の売上見通しDI(季節調整値)は、全産業で前月のマイナス6.1からマイナス4.9へ、1.2ポイントの上昇。2カ月連続の上昇となった。ただ、今年8月の1.1に及ばず、3カ月連続のマイナス値。
6つの最終需要分野別では、乗用車関連(二輪車を含む)のみが前月から好転。ただ、前月のマイナス41.5からマイナス24.4へ、低い水準での好転で、依然厳しい見方が広がっている。建設関連、食生活関連、衣生活関連は数値を落としたものの、プラス値を維持している。
全産業の利益額DI(季節調整値)は前月のマイナス5.8からマイナス13.3へ、5カ月連続で低下した。