投票キャンペーンを実施中の特設サイト
JATAアウトバウンド促進協議会 旅行への関心維持
新型コロナウイルス感染症の流行で、海外旅行に出掛けられない状況が続いている。コロナ禍の収束は見通せないが、アウトバウンドの再開に向けて旅行意欲を維持しようと、日本旅行業協会（ＪＡＴＡ）の会員企業や外国の政府観光局などでつくる協議会は1日、海外旅行のオンラインツアーを特設サイトに集め、旅行ファンに投票してもらうキャンペーンを始めた。絶景、体験、歴史・文化など多様なオンラインツアー171本を通じて世界各地を旅できる。
主催は、ＪＡＴＡの会員企業をはじめ、各国の政府観光局、ツアーオペレーター、航空会社などで構成するＪＡＴＡアウトバウンド促進協議会（菊間潤吾会長）。一般消費を対象とした企画で投票期間は5月31日まで。6月中旬に上位にランクインしたツアーを発表。投票者の中から抽選で2組4人に国際線の往復航空券をプレゼントする。
キャンペーンには42社・団体がオンラインツアーを出品している。内訳は、海外企業を含む旅行会社やランドオペレーターが21社、各国の観光局や大使館が19団体、航空会社が2社。オンラインツアーは実際に商品化されたものを含め、「体験・学習」「絶景」「世界遺産」「歴史・文化」などの部門別に特設サイト（https://mottokaigai.jp/event/onlinetour/）に掲載され、動画を閲覧できる。
キャンペーンには、多様なオンラインツアーが集まった。例えば、ＪＴＢの「ジャカルタ・コタ地区 現地市民の日常生活へ潜入」では、インドネシアの首都の裏側を案内している。通常はイスラム教徒以外の入場が禁止されているモスクへの訪問、庶民から愛されるローカル屋台での食事、二輪バイク「バジャイ」の試乗体験など。
クラブツーリズムの「エジプト考古学博物館から生配信 ツタンカーメンに出会う旅」では、通常は撮影が禁止されているエジプト考古学博物館のツタンカーメン秘宝室で、特別な許可を得て「黄金のマスク」の撮影に成功。現地ガイドの解説で視聴できる。
日本旅行の「もう一つのマレーシア、もう一つのボルネオ島、サラワク州は、熱帯ジャングル天国」は、ボルネオ島のサラワク州の州都クチンを代表する三つの国立公園の自然を紹介。オランウータンなどの希少動物や珍しい植物、珍しい景観などを観察できる。
この他にも、リアルな今のロンドンを散策している気分で楽しめるエイチ・アイ・エスの「ロンドンブラ散歩 人気のＳＯＨＯエリア」、カンボジアの伝統的なクメール占いを体験できるベルトラの「人の運命が見える？ ＴＶにも出演した僧侶によるクメール占い体験」、断崖の道や吊り橋が続くスペイン・アンダルシア州のガイタネス峡谷に設置された桟道を歩くユーラシア旅行社の「スペインの世界一危険な道 エル・カミニート・デル・レイ」など。
ＪＡＴＡアウトバウンド促進協議会の事務局を務めるＪＡＴＡ海外旅行推進部では「楽しい体験や行きづらいエリアのツアーなども紹介している。コロナ禍が続いているが、オンラインツアーで海外旅行への思いを高めてもらえれば」と話している。キャンペーンは、近年の海外旅行市場をけん引してきた20歳代、30歳代の女性をメインターゲットにデジタル広告などでＰＲする。
ＪＡＴＡは、優れた企画旅行などを関係団体と共に表彰する「ツアーグランプリ2021」にも、オンラインツアーの部門を新設した。ＪＡＴＡ海外旅行推進部の稲田正彦部長は8日の会見で、オンラインツアーの可能性について「当初は海外旅行に関心をつなぎとめるため、あるいは現地ガイドの雇用継続のために始まったが、今や消費者にツアーを提供する新しい手法になった。動画のパンフレットとしても、ツアーのお試し体験ができるツールとしても有効。リアル、バーチャルなツアーが並行して存在する時代が来ている」と指摘した。
オンラインツアーを出品した旅行会社など
【旅行会社・オペレーター】あうたび▽アレックスインターナショナル▽エイチ・アイ・エス▽ＨＭＣ・にこまるツアー▽エス・プランナー▽クラブツーリズム▽ジャパン・エア・トラベル・マーケティング▽ジャルパック▽ＪＴＢ▽日本旅行▽阪急交通社▽フィンコーポレーション▽ベルトラ▽プロコ・エアサービス▽ユーラシア旅行社▽アティックツアーズ▽ツアーアメリカ▽トラベル・トレイラー・イスラエル▽パンダトラベルエージェンシー▽ミキ・ツーリスト▽ラティーノ
【航空会社】ブリティッシュ・エアウェイズ▽イベリア航空
【観光局・大使館】駐日イスラエル大使館・イスラエル観光省・イスラエル自然保護局▽イタリア政府観光局▽英国政府観光庁▽オーストラリア政府観光局▽オランダＭＡＲＫＴ▽カナダ・オンタリオ州観光局▽カナダ・ノースウエスト準州観光局▽国際機関日本アセアンセンター・日本学生観光連盟▽スペイン政府観光局▽台湾観光局▽フランス観光開発機構▽ポルトガル政府観光局▽香港政府観光局▽マカオ政府観光局▽マレーシア政府観光局▽ユングフラウ鉄道グループ
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