ペットの旅行テーマにシンポジウム

  • 2009年11月14日

講演する大島氏

講演する大島氏

 ペットの法律に関する研究者、実務家などで組織するペット法学会は7日、東京の明治大学で「ペットの住まいと旅」をテーマにシンポジウムを開いた。この中で、ペットと出掛ける旅の現状と問題点について日本旅行赤い風船事業部の大島浩子担当部長が講演。ペット同伴旅行は潜在需要があるものの、受け入れる宿泊施設が少ないなどが原因で旅行商品が造成されにくい現状を指摘し、普及には受け入れ施設のインフラ整備や受け入れ基準の明確化、飼い主のマナー向上が必要とした。

 旅の販促研究所の調べによると、ペット犬との同伴旅行の未経験者のうち、約75%が旅行の実施を希望。ただ、実際に宿泊を伴う旅行を行ったのは約34%にとどまっている。

 同調査では、飼い主から宿泊施設への要望として「ペット同行の旅であるのに同部屋宿泊可能施設が少なく、飼い主のニーズ『いつも一緒にいたい』という気持ちにこたえられていない」「事前の誓約書などの有無、記載内容が施設ごとに異なり、受け入れに関する一定の基準の必要性を感じる」などが挙げられている。

 一方、宿泊施設側の受け入れ状況をみると、日本旅行の全国約5千の契約施設のうち、ペット受け入れ可能施設は342軒にとどまる。同室での受け入れ可能施設は191軒と、さらに数が減る。また、同宿可能でも、対応可能部屋数が1軒あたり1〜3室程度と少なかったり、シーズンによって受け入れ不可などの制限が付くことも珍しくない。

 宿泊施設で受け入れが進まない理由について、日本旅行が施設に行ったアンケートでは、「畳を汚す、破る。浴衣、タオルで隠し、知らないふりをされた」「ベランダに糞があった」などの事例が挙がり、一部飼い主のマナーの悪さも指摘されている。

 受け入れ施設数が少ないため、旅行会社もペット同伴旅行の商品造成には慎重だ。日本旅行はペット同伴で行く沖縄へのパッケージツアーを06年に販売したが、航空機でペットが手荷物扱いになることに抵抗感を持つ飼い主もあり、申し込み状況は芳しくなかったという。

 ペット受け入れの先進宿泊施設として、群馬県草津温泉の音雅が紹介された。同館は犬も入れる貸切風呂や400坪の芝のドッグランなどペット受け入れ施設の整備が進んでいるほか、「完全にトイレのしつけが済んでいる」「無駄吠えをしない」など数項目の受け入れポリシーの確認書を顧客との間で事前に取り交わし、トラブルを未然に防いでいる。

 講演した大島氏は、宿泊施設には音雅のような顧客との間の確認書の策定や、飼い主への施設に関する明確な情報提供が、飼い主には施設との間のルールの順守やマナーの向上が必要だと指摘。日本旅行として、宿泊施設のペット受け入れポリシーの作成手伝い、飼い主と宿泊施設双方の意見をくんだ旅行商品の造成、ペット旅行未経験者への旅行誘発などを図りたいとした。

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