コロナ禍で2020年の訪日外国人旅行者数が前年同期比87.1%減の411万6千人となったことについて、観光庁の蒲生篤実長官は20日の会見で、「衝撃的な数字となったが、うろたえず、問題意識を持って考えるときだ」と述べた。インバウンドの回復に向けては、観光コンテンツの磨き上げなどのほか、オーバーツーリズムといった持続可能な観光への課題にも取り組む考えを示した。
20年の年間値については「世界各国で未知のウイルスへの対応、水際対策などを行ってきた結果であり、やむを得ない面があるが、2020年は本来、訪日外国人旅行者数4千万人を目標として取り組む年であったことを考えれば、非常に残念だ。ただ、わが国の観光資源の魅力が失われたわけではないので、そこをPRし、しっかり磨いていく」と述べた。
21年の訪日外国人旅行の見通しでは、「感染症などさまざまなリスクがある中で不透明」としたが、インバウンドの回復では、「以前と同じ形に戻すだけではいけない。オーバーツーリズムなどの課題に対し、持続可能性を高めるような観光にすべきという問題意識を共有していく。感染症などのリスクへの強靭(きょうじん)性を持たせないとならないし、住民がインバウンドを受け入れるための配慮も必要」との考えを示した。