アドベンチャーワールドでエンペラーペンギンの赤ちゃん誕生


 アドベンチャーワールドは1日、エンペラーペンギンの赤ちゃんが新たに誕生したと発表した。

アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)では、2019年10月1日(火)に当パークで13羽目となるエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました。

アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)では、2019年10月1日(火)に当パークで13羽目となるエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生しました。7月26日に産卵し、卵が押しつぶされる事故を防ぐため、孵卵器で卵の様子を見守り、無事誕生に至りました。赤ちゃんの体重は300.6gと平均的な体重で生まれましたが、アドベンチャーワールドでは、体に力が付き始める体重約500gまでスタッフの手で育て、親鳥のもとへ返す初期人工育雛を行います。現在赤ちゃんはバックヤードにて暮らしており、公開については決まり次第お知らせいたします。

【エンペラーペンギンの赤ちゃんについて】
■孵化日  :2019年10月1日(火)
■産卵日    :2019年7月26日(金)
■孵化日数 :68日間 ※平均68日間
■出生時体重:300.6g
■性 別  :不明
■親情報  :父親 1997年11月16日搬入(21歳)
母親 1997年11月16日搬入(21歳)

【親鳥主体の子育て方法にチャレンジ  ~未来の繁殖を見据えて~】
エンペラーペンギンの繁殖は当初、赤ちゃんが無事に卵からかえり成長することを重視して、体重40kg 近くある親鳥が卵をつぶしてしまわないように人の手で育てる「完全人工育雛」を行っていました。2004年に初めて赤ちゃんが誕生しましたが、完全人工育雛によって育った赤ちゃんは、人間を親として認識し、成鳥となってもペアを作らず、次の世代の繁殖につながらないことがわかりました。2012年よりアドベンチャーワールドでは、卵を親から預かり、孵卵器にて孵化させ、その後、雛の体重がある程度成長するまで人の手で育て、体力をつけてから親鳥へ返す「初期人工育雛」という方法にたどり着きました。

■初期人工育雛のポイント
①スタッフは親鳥に扮して給餌

「生まれて初めて見た動くものを親と認識するという鳥類の習性を利用し、給餌の際スタッフがペンギン型の帽子を被り、ペンギンの嘴に見立てた手袋を装着します。声は一切発さずに録音した親鳥の鳴き声を聞かせ給餌します。

②親鳥には擬卵を抱かせる
初期人工育雛中、親鳥には擬卵(石灰で作った偽物の卵)を抱かせ、まだ赤ちゃんが生まれてないと
思わせます。赤ちゃんが約500g まで成長したら、そっと擬卵と引き換えに赤ちゃんを抱かせます。

【国内2園館でエンペラーペンギンを飼育 未来の繁殖に向けて】

現在、日本国内でエンペラーペンギンを飼育しているのはアドベンチャーワールドと愛知県の名古屋港水族館の2園館のみです。当パークではこれまで誕生した12羽の赤ちゃんはすべて同じ両親から生まれており、血統問題が深刻化しています。未来の 繁殖のため2009年より、2園館でブリーディングローンを開始しました。今年の3月には10年ぶりにブリーディングローンとして1羽ずつ血統交換を行いました。卵の有精・無精を検査する検卵方法について情報交換するなど、双方での繁殖を目指しています。

※ブリーディングローンとは
希少な動物を絶やさず増やしていくために、動物園や水族館同士で動物を貸したり借りたりする制度のことです。双方で協力して種の保存に取り組んでいます。ブリーディングローンの実施により、希少動物のペア飼育や群飼育が進み、たくさんの動物が繁殖に成功しています。

 
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