【VOICE】アドベンチャートラベルと観光地域づくり 山形県物産観光協会 DMO推進室長兼専務理事 小野真哉 氏


小野氏

根底にあるもの…

 私にはお師匠さまと仰ぐ方々が北海道、東京、岐阜そして地元山形にいらっしゃいます。といっても勝手に私が一方的に思い込んでいるだけですが…。

 さて、今、山形県観光物産協会DMOでは、北海道のMさんから手ほどきを受け、アドベンチャートラベルの導入について準備しています。

 具体的には、観光庁の「広域周遊観光促進事業」を活用し、出羽三山と蔵王を中核に冬季のアドベンチャートラベル長期滞在型コンテンツを造成し、この冬から販売していこうとするものです。アドベンチャートラベルの書籍を読み、セミナーに参加し、最近注目を集めている蔵王の氷瀑体験のすごさや美しさをガイドの方々から教えてもらい、新たな人気コンテンツとなりそうな残雪の蔵王お釜トレッキングを行い、今年度に臨んだところ、アドベンチャートラベルの本質的なところ、根底にあるもの、まだまだそこへの詰めが甘いことを痛感する日々です。

 アドベンチャートラベル五つの体験価値
 (1)本当にここでしか味わえない体験か
 (2)体験を通じて自己の価値観が変化するか
 (3)心身とも健康になったという感覚を得られるか
 (4)身体的・心理的な挑戦をしたと感じられるか
 (5)環境に負荷を掛けていないか

 こうした点からコンテンツを見直した時、まだまだ仲間の知恵を盛り込み、工夫していく必要があると感じます。大好きな羽黒山杉並木のひんやりとした神々しい空気感、長年守られ続けている五重塔の意義、御祈祷の際に感じる神の存在感、こうしたとっておきの資源をとっておきの方々に伝えるには…、善寶寺の竜神や坐禅も伝えたいな…食文化をベースに伝えるべきか、ううううう~っ。根底にあるものとは?

 翻って最近の自分の行動と感覚を振り返ってみると、新型コロナウイルスの影響でなかなか会えなかったお師匠さまの笑顔を見た時、駆け寄りたくなるようなスキップしたくなるようなうれしさ、仲間と杯を酌み交わしながらハードルをクリアできそうなアイデアが生まれた時のうれしさ…こうしたうれしさが人の動きの原動力になっているのかなと感じます。

 アドベンチャートラベルを通じて、「そんなに言うんなら一度行ってみてやるか」「あの人に会えてうれしかったからまた行ってやるか」と感じていただけるような観光地域づくりに取り組んでまいります。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

小野氏

 

 
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