昨年10月1日にインボイス制度が開始されてから、はや半年がたとうとしている。表面上は、軽減税率の導入によって複雑化した消費税の計算ミスを防止することが目的とされている。しかし実際には、税の捕捉率を高め、課税事業者の割合を増加させることを目指している。そのため、取引先との文書のやりとりや社内での経費精算等で正確なルールの運用が求められる。
今回コラムでは、3月末に決算期を迎える企業が多いことに鑑み、消費税申告時に慌てないために旅館・ホテルの経営者や運営者が取り組むべき事項について説明したい。
(1)経費精算が正しいかチェックを行う
インボイス制度で最も間違いやすいのが、社内の経費精算である。従業員が経費精算する出張旅費は上限なくインボイスは不要であるが、会社名義のクレジッドカードで経費の支払いを行った場合はインボイスが必要となる。対象となるのは、鉄道や船舶(一つのインボイスで3万円以上)、航空、タクシーである。宿泊費や接待交際費・会議費として処理する飲食費も同様だ。
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