【観光の学校特集】神奈川大学

  • 2022年6月29日

島川教授(左)と市川部次長

社会連携センターで観光推進

 神奈川大学の前身は1928年創立の横浜学院。誕生から94年目を迎えた。

 横浜はペリー上陸以来日本の表玄関であり貿易や文化交流の一大拠点。この地で、向学心のある若者に学修機会を提供したいと創設されたのが横浜学院だった。「教育は人を造るにあり」という創立者米田吉盛の思いは、いまも熱く受け継がれている。

 神大(じんだい)の呼称で親しまれる同大は、大学に9学部、大学院に8研究科を有する全国有数規模の総合大学で、卒業生は約23万人。学校法人として、中高一貫校も擁する。現在、約2万人の学生が在籍している。

 創立100周年に向けて教育、研究の新たな飛躍を目指す同大では、そのステップの一つとして、2020年4月に「国際日本学部」を新設した。同学部には「国際文化交流学科」「日本文化学科」「歴史民俗学科」の3学科を設置。世界はもちろん日本の歴史と文化の深い理解に根差した、世界の人々の多様で多彩な交流と人類の共生を図ることのできる魅力的なグローバル人材の養成を開始した。

 21年4月には次のステップとして横浜みなとみらい地区に新キャンパスを開設。「国際・日本」の融合した未来「創造・交流」をコンセプトとする「みなとみらいキャンパス」には、横浜キャンパスから国際日本学部と外国語学部、湘南ひらつかキャンパスから経営学部が移転した。

 神奈川大学では、これらのステップを新たな契機として、これまで以上に、異なる世界の文化や歴史、多元的な価値を理解し、いかなる地にあっても「世界的な」視点に立ち、この地球に住む良識ある市民として生きる、地域でも国際協力の場でも積極的に活躍できる人材の育成を目指している。

 20年11月に完成したみなとみらいキャンパスは、その名の通り横浜の心臓部・みなとみらい21地区にそびえ立つ高さ約100メートル、地上21階建ての校舎で、グローバル系3学部に在籍する約5千人の学生が学んでいる。

◇  ◇  ◇

 20年に新設され、21年に新キャンパスへ移転した国際日本学部は、国際文化交流学科、日本文化学科、歴史民俗学科の3学科で構成。同学部のキーワードは「文化交流―多文化共生―コミュニケーション」だ。開学の地、横浜のフィールドを存分に活用した学びを展開。みなとみらいエリアの博物館や美術館、劇場などの現場での実習やフィールドワークといった体験型学習を積極的に取り入れている。

 国際文化交流学科は、2年次から「文化交流コース」「観光文化コース」「言語・メディアコース」「国際日本学コース」の4コースに分かれて専門的な学修を展開する。

◇  ◇  ◇

 観光文化コースの島川崇教授と、みなとみらいキャンパス社会連携センターの市川洋行部次長に話を聞いた。

 ――国際日本学部国際文化交流学科の学生数、教員数は。

 島川「学部として1学年あたり約300人、学科として同約170人。学科は2年次から4コースに分かれる。各コースの上限人数は60人に設定している。観光文化コースの教員は7人。3年次から始まるゼミでは、一つのゼミの学生数を15人以下に抑えて、目の行き届いた手厚い教育を行っている」

 ――島川先生は、JAL、韓国観光公社などでの実務経験があり、総合旅行業務取扱管理者、サービス介助士の資格もお持ちだ。日本国際観光学会の会長も務められた。

 島川「他大の観光学部・学科では観光以外が専門の教員も教えている場合もあるが、本学の場合は7人の教員全員が観光の専門家であることが誇るべき特徴だ。コロナ禍中の昨年も『ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜』『ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル』『パシフィコ横浜』『旅工房』『トライアングル』などで本学独自のユニークな観光インターンシップを実施している。さらに、歩いて行ける距離に多くの高級ホテルが存在するという恵まれた立地を生かし、ホテル・旅館志望者を集めて『実践ホスピタリティ研究会』を立ち上げた。教員2名に加えて、卒業生で長年高級ホテルで総支配人を務められた末吉孝弘氏をアドバイザーにお迎えし、より実践的なプログラムを推進している。旅行業志望の学生に対しても、独自の産学連携プログラムを実践し、学生に生きた学びの機会を提供している」

 ――神大の観光研究・教育は「社会連携」がキーワードになっている。

 市川「国際日本学部国際文化交流学科観光文化コースだけでなく、みなとみらい3学部(経営学部、外国語学部、国際日本学部)を中心として全学部の関係機関が結集して観光の諸問題に対応している。みなとみらいキャンパス開学と同時に『社会連携センター』を開設。観光ラウンジの運営、県内自治体・団体やキャンパス周辺企業との連携、在学生向け起業家育成事業、県内高校を中心とした協議会を組織する小中高大連携事業などを行っている」

 市川「観光ラウンジでは、横浜を中心とした地域における文化、歴史、観光に関する情報を発信する機能に加え、旅行会社機能も併設している。PBL型の学修プログラムを展開し、ポストコロナを見据えて留学事業もサポートする。自治体・団体連携では、横浜市、鎌倉市、(公財)横浜観光コンベンションビューロー、(一社)横浜みなとみらい21、(一社)横浜港振興協会、横浜未来機構と包括連携協定などを締結した。資生堂の研究員と本学学生とのアイデア創出ワークショップ、富士フイルムビジネスイノベーションの個室型ワークブースを使った実証実験への学生の協力も実施。『観光』に関する環境、経済および社会的課題の解決に取り組む『観光プラットフォーム事業』も開始し、社会連携センターが中心となり神大全体で取り組んでいる」

 ――神大には神奈川県内から通う学生が多いのか。

 島川「県内、近隣都県から通う学生はもちろん多いが、大学全体としては、40%の学生が自宅外通学者だ。神奈川大学では1933年から独自の奨学金制度を実施している。『給費生試験』の合格者には4年間で最大880万円の返還不要な奨学金を給付する。2022年度は7330人が同試験に挑戦した。この制度は単に経済援助を目的とするものではなく、広く全国から優秀な人材を募ることを目的としている」

島川教授(左)と市川部次長

ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜でのインターンシップ

神奈川大学 国際日本学部 国際文化交流学科

神奈川大学社会連携センター

 
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