来年2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に、バリアフリー、ユニバーサルデザインのハード対応は急ピッチで進められている。しかし、日本人の心は果たして高齢者や障がい者にやさしいのだろうか。編著者で、サービス介助士の資格も持つ東洋大学国際観光学部の島川崇教授は、こう問いかける。
「福祉」の概念を「高齢者・障がい者を特別扱いにするのではなく、すべての人々に対する幸福追求の試みであり、その状況を作り上げるために取り組むこと」と説明。無関心をなくし、人々の意識の中に垣根のない社会を作ること、「心のバリアフリー」こそが重要であるという執筆陣12人の思いが、本書には込められている。
旅行会社、空港、航空会社、鉄道、バス、宿泊施設などでの福祉的対応の具体例を掲載。宿泊施設では、「京王プラザホテル」「ホテル雅叙園東京」「ほほえみの宿滝の湯」「大江戸温泉物語グループ」の福祉的対応を紹介している。
価格は2800円(税別)。A5判、並製、280ページ。10月18日発行。問い合わせは、成山堂書店TEL03(3357)5861。