【新年あいさつ】外国人来訪効果を最大化 日本観光振興協会会長 山西健一郎

  • 2019年1月3日

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 昨年は、訪日外国人旅行者数がついに3千万人を突破しました。また、住宅宿泊事業法や改正旅行業法、改正通訳案内士法の施行、国際観光旅客税の創設など、訪日旅行者数4千万人時代に向けて歩みを進めた年でした。日本経済における観光が担う役割はますます拡大を続けております。

 一方で、昨年7月の西日本豪雨や同9月の関西への台風直撃、北海道胆振東部地震など多くの災害が発生し、観光面においても大きな打撃を受けました。災害発生時の旅行者への対応などの課題も浮き彫りになりましたが、各地で官民の連携による風評被害への対応や落ち込んだ需要の喚起策など、復興支援の取り組みが迅速に行われ、地域の元気を取り戻す上で観光の力は必要不可欠であるとあらためて感じた年でもありました。

 人口が減少し、かつ東京圏への一極集中が進むわが国においては、観光によって地域の交流人口を増やし、今後の日本全体としての持続的な発展につなげていかなければなりません。当協会では、昨年4月に、国が力を入れている「テーマ別観光による地域の誘客事業」と連携し、地域へのさらなる誘客を促すことを目的に「地域ブランド創造部」を新設しました。これまで当協会が推進してきたガストロノミーツーリズムや産業観光に加え、47都道府県に存する酒蔵を重要な観光資源と位置付け、ツーリズムEXPOジャパンにてPRブースを設置するなど、情報発信や人材育成、啓蒙活動、着地型商品造成などの活動を通して酒蔵ツーリズムを推進することとしています。また、DMOについては、全国4カ所をモデル地域として支援するなど、これまでの理念や手法の普及啓発に加え、実践面での支援を始めました。さらに、地域における観光推進の拠点を強化することを目的に、「沖縄支部」を新たに設置しました。スポーツ・武道ツーリズムの推進など、沖縄観光コンベンションビューローと共に、地域との連携をより一層深めた事業を展開していくこととしています。

 本年は、いよいよラグビーワールドカップ2019が開催され、東京オリンピック・パラリンピック開催まで1年となります。日本がさらに世界から注目が集まり、その注目を実感する年でもあります。その注目と実際に来訪いただいた効果を最大化するためには、開催地だけでなく全国の観光地に訪れていただき、それぞれの地域の活性化に結び付けなければなりません。そのためには二次交通の充実が重要となります。当協会では、これまで全国の二次交通および観光振興に関わる企画乗車券・共通パスなどをデータベース化し、二次交通先進事例とともに、広く活用いただけるよう提供してきましたが、19年度は専門部会を設け、さらに検討を進めることとしています。加えて、受け入れ側のDMOへの実践的支援や人材育成研修などを引き続き行っていきます。さらに異業種交流セミナーや産学官連携による観光経営研究会の開催など、地域とIT企業をはじめ関連企業とのパイプ役となり、ベストプラクティスを共有し、新たなビジネス機会の創出や事業展開につなげてまいります。

 また一方では、世界の観光という大きな枠組みの中で、わが国の観光を捉えることがますます求められることとなります。国連世界観光機関(UNWTO)や世界旅行観光協議会(WTTC)との連携を強化するとともに、引き続きツーリズムEXPOジャパン、日台観光サミットなどの開催により双方向交流の活性化を図ってまいります。特に、本年のツーリズムEXPOジャパンは初の大阪開催を予定しています。2025年の万博開催が決まり、注目が集まる関西での開催は、BtoBを軸に観光ビジネスの新たな需要拡大を図ることとしており、わが国の観光を世界、全国へとPRする絶好の機会となり交流人口の拡大につながると考えています。

 今年、新たな元号が始まります。当協会では、刻々と変化する観光をとりまく環境に対応し、既成の枠を超え、あらゆるステークホルダーとの連携のもと、さまざまな観光振興事業を効果的かつ積極的に推進してまいりたいと考えておりますので、皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。

 本年が会員をはじめとする皆さまにとりまして大きな飛躍の年となりますことを祈念して、新春のごあいさつとさせていただきます。

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