何度も「石」持ち上げる
新年あけましておめでとうございます。
年頭の所感といえば、元来、希望に満ちた1年を占うべきところ、少々明るさに欠けるご挨拶になりますこと、お許しください。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外、国内、訪日の全ての旅行市場が大打撃を受け続けたこの2年。特に、海外旅行再開への期待は、変異株の登場に伴う水際対策の再強化などにより、常に打ち砕かれてきました。まるでギリシャ神話のシシュポスの刑罰(石を山の頂まで運び上げ、頂上までいくと石が転がり落ち、再び運び続ける運命)を受けているかのように。
迎えた2022年についても、海外旅行再開という大きな「石」を、山頂に運び安定させることは困難かつ不透明と言わざるを得ません。しかし、それでも業界の皆さまと何度でも「石」を持ち上げていきたいと思います。関係省庁や多くの方々のおかげで、海外との交流再開時に向けた取り組みや準備は、着実に水面下で進みつつあります。「石」は常にスタート地点に戻っている訳では決してないのです。回復傾向にある国内旅行事業での収益最大化や新たな変革を進めながら、諦めることなく「石」も何度でも運び続ける1年にしたいと思います。
われわれには海外との交流再開を待ちわびる多くのお客さまや、一緒に汗を流す業界の仲間の存在があり、シシュポスとは異なります。安易かつ一方的に環境変化に依存するのではなく、逆境の中に、自ら明るい希望の光を照らしだす1年にしたいと思います。
本年もよろしくお願い申し上げます。
江利川社長