【専門紙・誌4社共同企画 地方創生が生み出す未来】伊自良の里(福井県福井市)塗料報知

  • 2022年6月18日

いじらやきはた食堂の外観。かつての地元資料館の別館を利用している

落ち着いた色彩の周辺建物

 伊自良の里は、福井県の中央部に位置する里山地域(福井市上味見地区)。他の地方と同じく、少子高齢化と人口減少の課題を抱えている。これに対処すべく、地域外からの交流人口を増やすため「伊自良・いやしの郷づくり構想」を策定して、地域の活性化を推進した。成果として10年間で27人が移住している。

 同地区には、豊かな自然に囲まれた里山の風景が広がる。伊自良の里という名の起こりでは豪族・伊自良氏が拠点を構えていたと言い伝えられる。創生に当たり、1996年には、ふるさと創生として旧美山町営の伊自良温泉をオープンした。2001年に廃校となり生涯学習センターとして活用されていた上味見小学校を、北東アジアこども交流キャンプの開催を契機に、NPO法人自然体験共学センターが子どもキャンプなど自然体験活動拠点として活用し、地域内外との交流を進めてきた。

 伊自良温泉の管理運営は、地域住民が「伊自良の里振興協会」を作り、地域住民が受け皿となって指定管理を受けて行っている。

 同地区では、地域内外との交流を一層促進すべく、2015年に「伊自良・いやしの郷づくり構想」を立ち上げて、地域活性化にさらに進めている。美しい景観を元にして癒やしの里としてイノベーション。地域外からの来訪者を勧誘し、交流人口を増加させることを目標とする。農家レストランのオープンなど資料館・武家の館のリノベーション、田んぼの再活用などに取り組む。

 伊自良温泉では、おもむき作りとして重油による加温を、薪(まき)を利用するボイラーに変更。薪は地元産業である林業の間伐材等を用いることで、適切な育林を促させる利点も生み出している。薪を活用した事例としては、薪オーブンで児童の活動やイベントでピザづくりなどが挙げられる。今後は、薪ストーブの温泉等への導入を予定し、山村の雰囲気あふれる暮らしを演出する。

 また、伊自良温泉に隣接する資料館の別館は2019年に飲食施設「いじらやきはた食堂」にリニューアルした。地元の食材を主に食事を提供している。

 各地で悩みの種となっている空き家について、同地域では外部からの人の居住施設や宿泊施設などに有効活用している。状態の良い物件については無償で賃借や譲渡し宿泊施設に、さらに農家民宿の開設も支援して交流活動に力を入れる。定住化の支援として移住者に空き家をあっせんしている。

 ◇

 伊自良の里周辺の建物を見ると、汎用的建材を利用している物件でも民家風の外観として、風景に溶け込む配慮をしている。地域グルメの拠点とも言うべき、いじらやきはた食堂では武家屋敷風の外観と落ち着いた色彩が印象的だ。

 一方、廃校利用の施設は、学校建築の典型的な鉄筋コンクリート造りで、外壁はパステルカラーに塗装され、ソフトな印象があるものの、屋根部の青色に違和感を覚える。

 森林、田畑など里山の風景は、地域の美しさを見せるのに欠かせない要素である。点在する建築物の造形や色彩は、風景との良好なバランス取りが望ましい。それは、引きつける里山の景観を生み出すためには欠かせない。

 

いじらやきはた食堂の外観。かつての地元資料館の別館を利用している

 

 
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