みんなで作る楽しめるバリアフリー
山形県小野川温泉の「鈴の宿 登府屋旅館」は、車いすユーザー目線の貸し切り風呂や、ヘルパーによる入浴サービスなど、誰もが楽しめるバリアフリーの旅館づくりに努めている。
「車いすでもラクラク」とうたい、バリアフリー特別室を作った同館。ただ、大浴場はスロープと手すりがあるものの、車いすから立ち上がらなければ入れない構造。貸し切り風呂新設の要望が絶えなかったという。
「わらにもすがる気持ちで」クラウドファンディングを利用して資金を募集。77人の支援で117万円が集まった。この資金や県の補助金を使い、ユーザー目線の貸し切り風呂「廿四孝」を新設した。横移動で湯船に入れたり、好きな場所に手すりを付けられたりと、車いすユーザーのアイデアが盛り込まれている。
貸し切り風呂ではヘルパーによる入浴サービスも実施。家族が介助しきれない場合の入浴で、有料の派遣ながら好評を得ている。
このほか車いすのまま観覧できる宴会場での落語会の開催、観光客に向けた宿のトイレの開放など、健常者と障がい者が、ともに楽しめる宿と温泉地づくりに努めている。