労働力確保に向けたAIロボットの活用
愛媛県の宇和島市旅館組合は29年12月、ハウステンボス(長崎県佐世保市)の「変なホテル」を視察した。「人手不足で社員一人一人の負担が重くなり、離職率が上がっている。雇用を安定させるためには労働環境の改善が急務」と、人手をかけずに運営するホテルの先進事例を学んだ。
フロントを無人化し、AIロボットや自動精算機でチェックイン・アウト業務を行う同ホテルのシステムを学習。
ホテルの支配人から業務の具体的な話も聞いた。ホテルでは16種類、合計100台のロボットが働くかたわら、運営スタッフの数は2015年の開業当初の30人から9人に減少。客室数を2倍に増やしながらも省力化に成果を収めている。
ホテルは「広大な実証実験の場」として、自家発電による水道光熱費の削減、植物栽培にも取り組んでいる。
クルーズ船の就航でインバウンドの増加が見込まれる同市。観光客の誘致に取り組む中で、観光産業が魅力的な職場であることもアピールし、雇用の確保をしていかなければならないと同組合。
「地域の人材育成を進めていけるよう、組合内でさらに研究を進めていきたい」。