日本サウナ・温冷浴総合研究所は4日、「日本のサウナ実態調査2022」の結果を発表した。
一般社団法人 日本サウナ・温冷浴総合研究所は、2017年より続けている日本におけるサウナ・温冷浴の実態調査を行い、3/7のサウナの日に先立ってその調査結果を発表している。
<調査背景>
一般社団法人 日本サウナ・温冷浴総合研究所(本社:千葉県船橋市。代表:立花玲二。以下、日本サウナ総研)は、2021年12月に日本全国1万人の成人男女を対象とした『日本のサウナ実態調査』を実施した。
(調査方法・インターネット調査 対象18~69歳の男性5015人 女性4985人、また推計人口に関しては各年の総務省統計局人口推計を用いたウエイトバックを行っている)
<主な調査結果>
1.①サウナ愛好家人口推移
図1.①A:サウナ愛好家推計(人口)(2016~2021)
図1.①B:サウナ愛好家の人口推移(2016~2021)
調査開始以降「年に1回以上サウナに入る人」「月に1回以上サウナに入る人」「月に4回以上サウナに入る人」をそれぞれ「ライトサウナー」「ミドルサウナー」「ヘビーサウナー」と区分し調査・推計を行ってきた。サウナ・温冷浴に関して、ブームが来ているとの報道があるが、人口推移を分析すると大きな変化は観察されないということが当研究所の調査結果であった。しかし今回調査開始以来初、ヘビー・ミドル・ライトの全ての層で大幅な減少がみられた。ヘビーサウナーが昨年339万人が255万人、ミドルサウナーが昨年592万人が521万人、ライトユーザーが昨年1651万が796万人、となった。合計すると昨年の2583万人が1573万人と、1000万人が減った結果となった。(図1.①AB参照)
図1.①C:2020→2021年サウナ愛好家人口動向
また、各層の前年からの人口減や割合を図1.①Cに示す。人口減に大きな影響を与えたのは、もともと人口の大きかった「ライトサウナー」であり、800万人以上の減となっている。
1.②サウナ愛好家人口推移の地域差
図1.②A:サウナ愛好家推定人口(対前年比)地域別比較
サウナ人口減の地域差を検証したところ、関東圏ではミドルに関しては若干の増(4.7%)、関西圏ではヘビーが若干の減(5.1%)となり、地域差が明らかであった。
近年のサウナのメディア露出頻度の高まりにより、いわゆる「サウナブーム」が唱えられている。この分析結果は、都市部でのブームの高まりにより、コロナによる利用客減少が相殺されたと考察される。
一方で、都市圏以外のサウナ愛好家人口が減っていることは、地方で愛されてきた施設の閉鎖とも相関があると考えられる。
2.コロナによるサウナ入浴動向変化
図2A:2021年のコロナによる入浴動向変化
コロナによる愛好家頻度別の影響を見てみると、ヘビーサウナーほど「回数が減った」と回答する人が少なく、「回数が増えた」と回答する人が多い。一方でライトサウナーほど逆の結果が出ている。サウナ愛好家のセグメント自体が変化し、かつてミドルサウナーだった層がライトサウナー層へ、ライトサウナーだった層がサウナに行かなくなってしまった、なども考えられ、愛好家人口減少に大きく影響していると思われる。
図2B:2021年のコロナによる入浴動向変化
3.温冷浴の認知度
図3:温冷浴認知度の推移
温冷浴(「熱気浴/蒸気浴→冷水浴→外気浴」のサイクル)に関しては調査開始以来「知らない」が減少し、「知っていて、実践している」が増加し続けていた。2019年ごろから温冷浴の認知と実践が増えている。「サウナブーム」と言われる各種報道等で温冷浴の認知や実践する人が増えていることがうかがえる。