【データ】新型コロナウイルスによる肺炎に関する訪日外国人の意識調査


 サーベイリサーチセンターは4日、「新型コロナウイルスによる肺炎に関する訪日外国人の意識調査」の結果を発表した。

株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区)は、「新型コロナウイルスによる肺炎に関する訪日外国人の意識調査」を東京タワーにおいて実施しました。

■調査の背景

2019年の暮れより「新型コロナウイルスによる肺炎」の発生が確認され、多くの感染者とそれによる死者が出ています。また、発生国地域のみならず世界の多くの国でも感染が確認されています。

折しも、我が国においては多くの訪日外国人が来訪する時期と重なり、国民への影響のみならず訪日外国人の安全や観光業界を含めた産業界への影響が懸念される状況となっています。

弊社では下記に示しますように「台風」「地震」と観光の危機管理において重要な災害の発生の時点で「訪日外国人の情報収受と行動について」自主調査を実施してまいりました。今回の調査は、「感染症」という観光危機管理の重要な事案が発生していることと、日本人でも情報の収集と理解及びその対応が難しい中、訪日外国人はどのように情報を収集し、どのようなことに困り、どのような行動を行ったかに視点を充て実施いたしました。

※過去の【訪日外国人関連】の災害自主調査 https://www.surece.co.jp/research/

2019年10月17日「台風19号の災害情報等における事前対応に関する訪日外国人調査」

2019年7月2日「山形県沖地震に関する外国人調査」

2018年10月10日「台風24号の災害情報等における事前対応に関する訪日外国人調査」

2018年9月14日「北海道胆振東部地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」

2018年6月29日「大阪府北部地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」

2016年4月27日「熊本地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」

■調査の概要

【主旨】

「新型コロナウイルスによる肺炎」の情報が刻々と変化する状況下で、旅行先の日本国内にいる訪日外国人がどのように情報を収受し、対策を取ったか等について調査しました。

【調査概要】

・調査地点 :東京タワー

・調査対象 :2020年1月29日時点に日本に滞在した訪日外国人旅行者

・調査方法 :外国語の話せる調査員による質問紙を用いた面接聞き取り調査

・有効回答数:256サンプル

・調査日  :2020年1月29日(水)・30日(木)

【調査内容】

・「新型コロナウイルスによる肺炎」を知った日、情報源・分かりにくかったこと

・「新型コロナウイルスによる肺炎」に関する対策・予防策、困ったこと

・感染症発生時の対応希望・対策として必要なこと 等

※調査実施時は、「新型コロナウィルス」もしくは「新型肺炎コロナウィルス」として実施しましたが、本プレスリリースの「タイトル」や「コメント」では、「新型コロナウイルスによる肺炎」に統一して表記しています。

◆対象者の属性

対象者の属性

■調査結果の概要

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」をいつ知ったか

「発生国で抑え込みを指示と報道」された1月16日~23日が最多

・新型コロナウイルスによる肺炎を最初に知ったタイミングは、「2019年1月16日~23日(「発生国で抑え込みを指示と報道」「発生国地域で移動の制限と報道」)」が29.7%と最も多く、ウィルス検出報道前の「2019年12月1日~2020年1月8日」に認知している旅行者は20.7%だった。

コロナウィルスを知った時期

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」の影響で旅程を変更の有無

ほとんどの旅行者は旅程の変更はしていなかった

旅程の変更について

・新型コロナウイルスによる肺炎の影響で「旅程の変更をした」旅行者は6.6%にとどまり、85.9%は「旅程の変更はしなかった」と答えた。

・旅程を変更した人にきっかけを聞いたところ「発生国地域での感染拡大の報道」が47.1%と最も多かった。

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」に関する情報源

「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」が情報源のトップで、国内での「台風」や「地震」時とは情報源が異なる。

・新型コロナウイルスによる肺炎に関する情報源は、「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」が66.8%と最も多く、「友人のメールやSNS」が55.1%、「日本のテレビやラジオ」が19.1%と続いた。

・そのうち最も役に立ったと答えた情報源は「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」48.2%、「友人のメールやSNS」29.2%となったが、「日本のテレビやラジオ」は4.7%に留まった。

情報源

※「最も役立った情報源」の回答のn=253は「実際に知った情報源」の回答者n=256から「覚えていない及び無回答」を除いた数

▼情報を受け取った際、分かりにくかったこと

約半数が分かりにくかった情報は「特にない」と答えた

・情報を受け取った際、分かりにくかったことを問うた質問では「特にない」49.6%が最も多く、「日本国内のどこで感染したかわからなかった」15.6%と続いた。

分かりにくかったっこと

▼滞在していたホテルについて

(1) 滞在していたホテルでは「新型コロナウイルスによる肺炎」に関する「情報の提供があったか」また「理解できたか」

「情報の提供があり理解が出来た」が約3割、「情報の提供は無く自分で探した」が5割以上

・滞在していたホテルで「情報の提供があったか」また「理解できたか」は、「情報の提供があり理解が出来た」が30.5%であった一方、「情報の提供は無く自分で探した」が55.5%となった。

ホテルでの情報提供

(2) 滞在していたホテルで「新型コロナウイルスによる肺炎の情報」の説明が事前にあればスムーズに行動できたか

「できたと思う」+「たぶんできたと思う」が7割以上で、滞在先での情報提供が重要

・滞在していたホテルで新型コロナウイルスによる肺炎情報の説明が事前にあればスムーズに行動できたかは、「できたと思う」が60.9%、「たぶんできたと思う」が13.7%と、7割以上が概ねできたと思うに回答している。

ホテルでの事前説明の影響

(3) 滞在したホテルでの「新型コロナウイルスによる肺炎」に関する対策

多くの滞在先で対策が講じられていたが、約3割の滞在先では「対策なし」

・滞在したホテルでの新型肺炎コロナウイルスに関する対策は、「アルコール等の洗浄剤の設置」51.6%、「手洗い・うがい等の実施の指示」16.4%、「マスクの配布」12.5%といった対策が取られていた一方、「特に対策は無かった」が34.4%となった。

ホテルで実施されていた対策

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」の予防策として実施したこと

大半が「手洗い・うがい等の実施」「アルコール等の洗浄剤の使用」「マスクの着用」

・新型コロナウイルスによる肺炎に対する予防策として実施したことは、「手洗い・うがい等の実施」80.9%、「アルコール等の洗浄剤の使用」75.4%、「マスクの着用」70.7%と、この3つの予防策が他の予防策と比べて多く見られた。

実施した予防策

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」に対して困ったこと

「困ったことはなかった」が最多

・新型コロナウイルスによる肺炎に対して困ったことは、「困ったことはなかった」が66.4%と最も多く、訪日旅行中の活動に対しては影響が少なかったことがうかがえる。

困ったこと

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」等の感染症発生時に希望する対応

「医療機関情報などの提供」「インフォメーションセンターでの情報提供の充実」「滞在先での指導」が求められている

・新型コロナウイルスによる肺炎等の感染症発生時の対応として希望するものは、「医療機関情報などを提供してほしい」43.0%、「インフォメーションセンターでの情報提供を充実してほしい」42.6%、「滞在していたホテルで感染症対策の指導等をしてほしい」32.4%などが求められている。

希望する対応

▼「新型コロナウイルスによる肺炎」等の感染症の対策として大切だと思うこと

「空港の入出国時の検査の徹底」「手洗い・うがい等の徹底」「マスク着用等の徹底」

・「新型コロナウイルスによる肺炎」等の感染症の対策として大切だと思うことは、「感染者を早期発見するために「空港の入出国時の検査」を徹底する」が69.1%と最も多かったが、「手洗いやうがい等を徹底する」62.9%や「感染予防としてのマスク着用等を徹底する」55.5%など、国や行政に拠らず旅行者自身ができる意見も多くあげられた。

感染症対策として大切だと思うこと


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