【データ】外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査


 パーソル総合研究所は10日、「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」の結果を発表した。

 総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:渋谷和久)は、「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」の結果を発表いたします。
本調査は、外国人雇用が拡大する中、外国人を部下に持つ日本人上司に関する現状や課題を明らかにし、より良いマネジメントに資することを目的に実施しました。パーソル総合研究所による外国人雇用に関する調査は、2019年9月12日発表の「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査」結果に続き、2回目となります。
■調査結果の要旨

①   外国人部下に対するマネジメントの困難さ
外国人部下に対するマネジメントについて、日本人上司の30.0%(約3人に1人)が「ノウハウがなく、手探り状態である」と回答。

             図表1.外国人部下に対するマネジメントの困難さ

② 外国人部下に対する想定外のギャップ
外国人部下を持った時に想定外のギャップがあったという割合は、各項目で30~40%台の水準となった。

図表2.外国人部下に対する想定外のギャップ

➂  日本人上司の離職への影響
外国人部下を持つ日本上司の17.2%が「できれば今すぐにでも辞めたい」と回答。

④   日本人上司へのサポート
外国人部下を持つ日本人上司が会社から各サポートを受けている割合は2割程度。いずれのサポートも受けていない日本人上司は46.1%にも上る。
経験年数に応じて外国人材を活かすコミュニケーションスキルが上がることがデータで分かっているが、日本人上司の離職防止や外国人活躍の観点から、経験が浅い上司にはサポートが求められる。

        図表4.外国人部下を持つ日本人上司が会社からサポートを受けている割合

※本調査を引用するときの出所の記載例:パーソル総合研究所「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」

■分析コメント(パーソル総合研究所 主任研究員 小林祐児)

日本人の多くは、実際に外国人部下を持ったとき、事前の想定以上に難しさを感じている。ノウハウも無い中で、外国人に対して「こちら(職場)に合わせてほしい」という意識が強い上司ほど、受け入れ時のギャップが大きくなることも明らかになった。
こうした受け入れ時のギャップやコミュニケーションの苦労、トラブルが生じている職場では、外国人材の定着・活躍にとってマイナスの影響があるだけでなく、日本人上司も疲弊し、離職にもつながっていた(下図参照)。それにも関わらず、日本人上司に対する会社からの組織的サポートは手薄だ。
必要なのは、外国人材のマネジメントを「現場任せ」「上司任せ」にせず、企業としてノウハウを可視化し、蓄積・共有していくナレッジ・マネジメントだ。経験が浅い日本人上司には、業務支援ツールやマニュアルはもちろん、受け入れギャップを防ぐことを含めた意識面の準備のサポートが必須である。

■調査概要


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