酒文化研究所は5日、コロナ禍前と比べた飲食店の選び方の変化調査の結果を発表した。
コロナ禍で外での飲食機会が激減してから7か月になりました。飲食店の営業時間の制限が緩和されたり、感染防止対策を講じる店が増えたりしたこともあって、最近はだいぶ客足が戻ってきているようです。今回の酒好きほぼ100人に聞く「酒飲みのミカタ」は、コロナ禍前と比べて飲食店の選び方に変化あったかをお聞きしました。
直近3か月での外飲みは「5割以上減」が6割
最初に直近の3か月間での外飲み回数を確認します。「0回」がもっとも多く39%にのぼり、続く「1~2回」の27%と合わせておよそ7割の人が、ほとんど外に飲みに出ていないことがわかります。反対に外飲みが10回を超えている方は、わずか1割にとどまりました。
次に同じ期間での外飲み頻度を、コロナ禍前と比較した増減を見ます。「元々外で飲んでいない」という方を除いて「外飲みの習慣がある方(99名)」を対象としたところ、「5割以上減」が61%と最多となりました。「3~4割減」が17%、「1~2割減」が8%と、大半の方が外飲み回数を大きく減らしています。
家飲みに飽きて「外で飲みたくなってきた」が6割
外飲みが激減し酒を飲むのは自宅でというスタイルになってほぼ7か月が経ちました。「『家飲みに飽きて外で飲みたくなってきた』という声があります。あなたはいかがですか?」と聞いたところ、「(外で飲みたいと)とても思う」16%、「(〃)少し思う」43%と、およそ6割の方が外で飲みたいという気持ちが強くなっていると回答しました。
そこで、外に飲みに出たいが飲みに出ない理由を聞くと、「感染すると周りに迷惑をかけるので出ない」が40%とトップ、「感染したくないので出ない」が34%、「なんとなく出にくい」が27%と続きました。
飲みに出ている方でも「(飲みに)出る時は行く店は決めている」23%、「外飲みは早く切り上げる」12%、「飲みに出ても繁華街にはいかない」8%などがあがりました。
店選びは「密にならない」「しっかり換気」「消毒徹底」から
続いてこれから外で飲むならどんな視点で店を選ぶかを聞きました。最も多かったのは「密にならない店」の67%で、「しっかり換気している店」55%、「消毒を徹底している店」が52%とここまでは50%を超えました。感染防止対策を講じている店を選ぶという意識が極めて強くなっていることがわかります。これらに次ぐのが「行きつけの店」の42%で、次のような声が多数寄せられました。
・換気の良いところ、特に屋外席があるお店を選ぶ(男性・60代)
・新規開拓のお店は避け、衛生管理のしっかりした馴染みのお店に行く(女性・50代)
・行きたい店でも混んでいたら諦める。消毒スプレーがない、仕切りがないなど対策していない店は問題外になった(女性・50代)
飲み会では「席間を広く」「回し飲みNG」「料理はシェアしない」
これから外で飲む時に心がけたいことでは、「席と席の間を広くとる」「ドリンクの回し飲 みはしない」「鍋物など皆でシェアする料理は避ける」の5割前後の得票があり、飲み会の三大要件になりそうです。
続いて上がった「料理を銘々に注文する」「料理は最初に取り分ける」は料理をシェアしないようにする心がけです。
そのほか「二次会には行かない」「飲み会は4人以下にする」「飲み会は2時間までと決める」のように、飲み会のフレームをコンパクトに自主的に制限する意識が見られます。
7割の職場が外飲みを規制
最 後に有職者を対象に職場による外飲み規制の有無を聞きました。「特に規制はない」という回答は31%で7割の職場が外飲みを制限していることがわかります。「大勢での飲み会は禁止もしくは自粛要請」47%、「同僚との会食は禁止もしくは自粛」23%、「得意先との会食は禁止」14%のほか、「規制はないが外で飲食しにくい雰囲気がある」27%と忖度する傾向も認められました。
【調査概要】
●調査時期:2020/10/26~10/29 ●調査方法:インターネットアンケート
●サンプル数:122人(お酒好きな人)