【シニアマイスター経営の知恵 105】私が思うブライダル業界のあり方 日本宿泊産業マネジメント技能協会会員・アプロス代表取締役 吉田一臣

  • 2020年5月10日

 私は30年以上ブライダル業界に携わってきましたが、年々取り巻く環境が厳しさを増してきています。しかし2019年、元号の改正により「平成」から「令和」となり、「平成の間に」「令和元年に」結婚式を挙げたいとの声が多くなり、業界に特需が見受けられました。

 令和2年に入り、その特需も落ち着き、若年人口の減少、婚姻率の低下、結婚の晩婚化により、今まで以上に過当競争の激しさが増してきています。その中で顧客から支持を受けるためには、売り手市場であった考え方をカップルがどう考え、行動しているのか分析し、その変化に対応することが必要です。

 挙式・披露宴のスタイルを見ても「こだわりウエディング」「コンパクト化」が進んでいる一方で、「リーズナブル指向」「結婚式を挙げない」といった、挙式・披露宴に対する考え方が多様化しており、安定的な運営を続けるには「企画提案力の強化」「本物の結婚式の提案」「効果的な情報の収集と戦略的な発信」「ホスピタリティの向上」「関連業務の取り込み」などが必要とされています。

 企画提案力を見てみると、料理のメニューから会場を飾る装飾まで、細かく指定したいという人の要望に応えられる体制が求められていますが、一方で、漠然としたイメージしか持っていないカップルに対しても、多くの提案を用意し、「自分たちらしい式をつくりあげた」という満足感を与えることが必要となります。

 さらに、全てのカップルがハードの良し悪しだけで式場を決めているわけではなく、既婚者に「どうしてそこに決めたのか」と尋ねると、「対応がよかった」「担当者が親切だった」といった声が多くあり、ある程度絞り込まれた数カ所の候補先の中から、最終的な結婚式場の決定ポイントは担当者の人柄や提案力などが大きく左右しています。

 最後に、挙式、衣装、着付け、写真撮影をセットにして格安で提供している商品は、再婚やできちゃった婚など大掛かりな披露宴はしないというカップルを想定して企画されており、認知度が上がり利用者も急増し、従来ならば挙式を諦めていたカップルが気軽に利用できる商品を開発したことにより、新たな需要を掘り起こした例といえます。

 しかし、その手軽さと披露宴を挙げないことが離婚率の上昇につながっているという説もあり、なるほどと、うなずけなくもありません。何度目であろうと「今度は失敗しないぞ」という決意のためにも、挙式と披露宴を提案する力が業界には求められています。 

 (一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会会員 株式会社アプロス代表取締役 吉田一臣)


        

 
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