「4月の中小企業景況、改善の動き一服」と中金公庫


 中小企業金融公庫はこのほど、中小企業景況調査の今年4月分の結果を公表した。それによると、同月の売上DI(「増加」とする企業割合から「減少」とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス0.0で、前月から1.4ポイント上昇したが、3カ月連続でマイナス超(「減少」超)となった。同公庫は中小企業の景況を「改善の動きにやや一服感がみられる」として、前月の判断を据え置いた。

 調査は4月中旬、3大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)の同公庫取引先900社を対象に実施した。有効回答数は608社で、回答率67.6%。

 売上DIは今年1月に2.2を記録して以降、2月からマイナス2.8、マイナス1.4、マイナス0.0と推移し、3カ月連続のマイナスとなった。

 需要分野別では食生活関連で増加超幅が拡大。設備投資関連と乗用車関連で減少超から増加超に転じた。半面、家電関連と衣生活関連で減少超幅が拡大。建設関連で増加超から減少超に転じた。

 今後3カ月の売上見通しDIは15.6で、前月から1.9ポイント上昇した。

 利益額DIは1.3で、前月から1.8ポイント上昇。前月の減少超から増加超に転じた。最終需要分野別では、食生活関連、衣生活関連で減少超幅が縮小。乗用車関連で減少超から増加超に転じた。ただ、設備投資関連で増加超幅が縮小。家電関連で減少幅が拡大した。

 利益水準(過去3カ月の実績)をみると、黒字企業割合が50.1%で前月比1.2ポイント低下。赤字企業割合が22.9%で同3.5ポイント上昇した。黒字企業割合から赤字企業割合を引いた値は27.2で、前月比4.7ポイント低下。

 資金繰りDI(「余裕」とする企業から「窮屈」とする企業を引いた値、季節調整値)はマイナス0.1で、前月比1.9ポイント上昇したものの、2カ月連続で窮屈超となった。

 金融機関の貸出態度DI(「緩和」とする企業割合から「厳しい」とする企業割合を引いた値)は45.7で、前月比2.8ポイント低下したものの、引き続き緩和超が続いている。

 
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