「日本の宿懇話会」が京都で第1回例会 和の文化と歴史、見聞広める


山口氏の講演

 旅館経営者の有志による親睦団体「日本の宿懇話会」は13、14日、京都市内で第1回例会を開いた。京菓子の老舗「末富」主人の山口富蔵氏の講演を聞いたほか、迎賓館、二条城など市内の名所を見学。旅館と関わりの深い和の文化とその歴史について見聞を広めた。

 懇話会は親睦と研修を通じて日本文化を凝縮した和風旅館の品質を守り、発展向上させるとともに、観光の振興に寄与することを目指す日本の宿の経営者らで組織。佐藤義正氏(元国際観光旅館連盟会長、岩手県・湯守の宿大観)、瀧多賀男氏(元日本温泉協会会長、岐阜県・水明館)、大谷峰一氏(山口県・大谷山荘)、下竹原和尚氏(鹿児島県・指宿白水館)、大西雅之氏(北海道・あかん遊久の里鶴雅)ら約10氏が発起人に名を連ねている。

 今回は発起人夫妻を中心に約20人が参加した。

 平成17年に建設され、現在一般公開されている京都迎賓館と、明治維新150周年の今年、大政奉還の舞台として注目されている二条城を見学。京都の老舗旅館、炭屋旅館で同館の堀部寛子女将の点茶による茶会を行った。市内で開催中のイベント「京都東山・花灯路」も見学した。

 柊家旅館を会場に、末富の山口氏が京菓子と京都の歴史について講演。格式を大切に、創業130年の歴史を積み重ねた同店の山口氏は「どこの菓子屋を使っているかでその家の格が分かる。旅館・ホテルも昔はそうだった。ただ人気があるから、はやっているからで店が使われるのではない。うちは和菓子を通じて日本文化を伝えようとしている。旅館もただ寝る場所を提供するのではなく、格式を大切に、文化を後世に伝えることを考えてほしい」と述べた。

 会場には京都市の門川大作市長が駆け付け、参加者一人ひとりと名刺交換。「インバウンドが増えているが、ただ数だけを追い求めるのではなく、何度もお越しいただけるよう、もてなしの質を高めていかねばならない。地域それぞれの伝統文化を生かしたおもてなしをされている旅館経営者の皆さまには改めて敬意を表したい」と述べた。

 懇話会は趣旨に賛同する旅館経営者を募り、8月をめどに設立総会を開催。今後定期的に例会を開く予定だ。


炭屋旅館での茶会


京都迎賓館

 
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