「存続へ強い意志を」 全旅連大会、無観客 ライブ配信で開催


大会であいさつする多田会長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は9月24日、山口県下関市の生涯学習プラザで第98回全国大会を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で異例の無観客での開催となり、式典の模様はインターネットでライブ配信した。多田計介会長(石川県・ゆけむりの宿美湾荘)は、コロナ下の組合員旅館・ホテルの支援へ、全旅連が行ってきた活動を振り返るとともに、「事業の存続に、強い意志を持ち続けよう」と配信を視聴する組合員らに呼び掛けた。

 大会は当初、6月11日の開催を予定していたが、新型コロナの影響で約3カ月間延期。例年の千人規模から、参加者を約半数に抑えての開催を準備していたところ、開催地のイベント開催基準が厳しくなったことから、参加を都道府県旅館ホテル組合理事長など役員らに限定。異例の無観客での開催とした。

 式典であいさつした多田会長は、新型コロナの感染拡大、国の緊急事態宣言による旅行の自粛で大きなダメージを受けた組合員旅館・ホテルの支援へ、自民党観光産業振興議員連盟や関係省庁に精力的に働き掛けた全旅連の今春からの活動を説明。無利子無担保融資、各種助成金制度、税の減免措置などがとられた実績を報告した。ただ、組合員への情報発信が十分行き渡らなかったなどの声があるとして、改善を約束した。

 多田会長はまた、国のGo Toトラベルキャンペーンを「ダメージを受けた観光業界を立て直す一筋の光明」と表現。菅義偉首相の自民党総裁選出馬時の出陣式で、全旅連青年部の鈴木治彦部長が民間代表で応援演説を行ったことを「私たちにとって大きな誉れ」と、政府が観光、宿泊業界を重視している表れと見て評価した。

 「世間に必要とされる業界にならねばならない」(多田会長)と、都道府県との間で進めている災害避難所協定は、42都道府県で既に締結し、残り5府県も間もなく締結される見込みと説明。

 あいさつの結びで「過去、経験のない状況を迎えているが、事業の継続に強い意志を持ち続けて、ポストコロナ、アフターコロナの時代に突き進もう」と訴えた。

 厚生労働省医薬・生活衛生局長表彰、第23回「人に優しい地域の宿づくり賞」表彰など、各種の表彰は、受賞者の名前を読み上げる形で行った。

 「感染拡大の防止に向けたさまざまな取り組みを展開し、感染症の抑制に鋭意努力する」などの大会宣言と、「新型コロナウイルスに負けない持続可能な宿を目指そう」など10項目の決議を採択。

 来年の開催地、福島県を紹介ののち、役員らによる万歳三唱で異例の大会を締めた。


大会であいさつする多田会長

 
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