高速無料化社会実験、観光施設の客数1割増


 高速道路の無料化社会実験で国土交通省は11日、6月28日の開始以降の1カ月間の結果を公表した。対象の50区間の1日当たりの平均交通量は平日、休日ともに実施前の週よりほぼ倍増。一方で並行する一般道路は平日、休日ともに約2割減少した。区間周辺の観光施設の入込客数は、平日と、「海の日」に絡む3連休で前年同期より約1割増えたが、一般道に面した施設では減少する所もあった。

 実験区間の交通量は平日、休日ともに87%増だった。平日では実施第4週(7月20〜30日)が101%増、休日では海の日に絡む実施第3週(7月17〜19日)が106%増に達した。並行する一般道路は平日で19%減、休日で17%減だった。

 実験区間の渋滞は1日当たりで、平日が約3区間で発生、休日が約10区間で発生した。並行する主要な一般道路では、時速10キロ以下となる渋滞時間が約6割減少、20キロ以下となる混雑時間は約4割減少したという。

 観光施設の入込客数は、実験区間の約30キロ圏内にある177施設を対象に調査した。6月28日〜7月2日の平日期間が約10%増、7月17〜19日の海の日の連休期間が約9%増だった。7月3、4日の休日期間は約14%減となったが、この減少は全国的に雨となった影響とみられている。

 国交省は事例として実験区間周辺の観光施設の入り込みを紹介している。舞鶴若狭道周辺では、無料化に合わせたプレゼントキャンペーンなどを実施した道の駅「舞鶴港とれとれセンター」(京都府舞鶴市)の客数が、休日(7月3、4日)で実験前の週より約1.7倍、平日(6月28日〜7月2日)で約1.2倍になった。また、東九州道周辺でも道の駅「かまえ」(大分県佐伯市)の7月3、4日の客数が約1.5〜1.8倍になったという。

 ただ、無料化に伴う観光客の動向について、国交省は「並行する一般道に面した施設などでは入込客数が減少している傾向の所もあり、地域での取り組み、天候、季節変動などの要因を含め、データの収集、分析が必要」と指摘している。

 
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