長野県諏訪市にこのほど、観光振興を目指す新たな組織「諏訪市観光産業活性会議」が誕生した。諏訪市、市観光協会、諏訪湖温泉旅館組合、諏訪商工会議所の4団体が参加。2012年までの5カ年をかけて体験プログラムを確立するのが目的。体験プログラムを新たな魅力として打ち出し、滞在型観光を促進、リピーターの確保につなげたい考えだ。
活性会議の会長には山田勝文・諏訪市長が就任。事業を具体的に推進する実行委員会の委員長には、「浜の湯」の松坂雄一副社長が就いた。9月末までに地域全体の構想を示すグランドデザインと、具体策を掲げるアクションプランを策定する。
今年11月には、体験プログラムなどの有効性を検証するため、大分県の別府八湯温泉博覧会(オンパク)の手法を用いた「諏訪版オンパク」を試験的に開催する。諏訪湖周辺の岡谷市、下諏訪町とも連携し、1週間程度の開催期間で15の体験プログラムを展開する予定。
このほか観光客の囲い込みや旅行会社を通じた情報発信強化のための事業に取り組む。観光客の囲い込みでは、観光客も滞在中は「住民」と考える発想に基づいて「観光住民票」という制度を作って顧客を登録、ウェブサイトなどを介した情報発信に活用する。旅行会社を通じた情報発信では、これまでの画一的な宣伝のあり方を見直し、戦略的な誘客活動を目指す。
諏訪商工会議所の堀内義彦専務理事は「情報発信と受け入れ、両面から取り組みたい。旅行者のニーズが多様化する中で、個人客に向けて、あるいは旅行会社に向けて戦略的な誘客策を立案するのと同時に、時間消費型で宿泊につながる新しい観光プログラムを構築したい」と話している。