長野県観光機構とエアビー、観光需要創出で協定


野原理事長(写真右)と田邉社長

 長野県観光機構(野原莞爾理事長)とエアビーアンドビー・ジャパン(田邉泰之社長)は20日、「長野県内の関係人口創出と新しい観光需要の推進」を目的とした連携協定を締結した。

 協定書には「長野県内のエアビーアンドビーのリスティング(宿泊施設)を運営するホストおよび宿泊するゲストが、現地コミュニティに有機的に溶け込み、単に旅行先として訪問するだけではないホスト・ゲスト・現地コミュニティの3者間の『関係人口』を創出し、新しい交流の促進と価値創造のための事業を実施する」とうたった。

 具体的には、エアビーアンドビー公式サイト内に長野県の特設サイトを24日に開設。6月9日に両者の包括連携を記念するオンラインイベントを開く。また、辰野町を含む伊那谷エリアの空き家再生とまちづくり、須坂市峰の原高原でのペンション再生にも6月中に着手する。

 野原理事長は協定締結の意図について次のように述べた。「長野県観光機構はいつまでも県観光部の下請けを続けていくわけにはいかない。新しい時代に向けた変革が必要だ。人口減少、高齢化、空き家問題など課題が山積する中、観光面で高い可能性をもつ長野県で、特に若年層を中心としたゲストと地域の人々、コミュニティがつながることによる心の通い合う新しいスタイルの観光需要創出を、エアビーアンドビーと共同で目指していきたい」。

 田邉社長は「長野県は日本国内でも特に魅力的な県の一つとしてゲスト人気も高く、ホストコミュニティの活動が盛んな地域だ。新型コロナ感染収束後を見据えて、リスティングを運営するホストとゲストの交流を加速したい。地域のコミュニティと密接に結びつくことで、新たな発想やつながりが生まれる。一時的な旅行先としての訪問によって生まれる『交流人口』から、多様な人材交流を創造する『関係人口』の拡大へと、長野県の観光の発展に貢献していきたい」と意気込みを語った。


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