道後温泉別館飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)が9月26日、松山市道後湯之町にオープンした。
25日には開館記念式典が同所で開催。野志克仁・松山市長、新山富左衛門・道後温泉旅館協同組合理事長、来賓として中村時広・愛媛県知事、大野玄妙・法隆寺管長らが出席した。
式典で野志市長は「外観は飛鳥時代の建築様式にこだわった。館内には松山市の四つの伝統工芸品に加え、愛媛県の協力を得て、県内の伝統工芸品とで15の作品がある。飛鳥乃湯泉を100年輝き続ける場所にしたい」と述べた。
中村知事は「松山、道後には多くの人が訪れている。愛媛県の玄関口として国内、海外の観光客を温かいおもてなしで迎えてもらいたい。松山を中心に県内をまわってもらいたい」と祝辞を述べた。
飛鳥乃湯泉の銘板の書を揮毫(きごう)した法隆寺の大野管長は「なぜ法隆寺かといえば、正岡子規の代表作『柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺』であること。この句で法隆寺は近代以降全国的に広く知られるようになり、法隆寺としても感謝している。飛鳥時代には聖徳太子が道後温泉を訪れているとのこと。いくつもの関連があったことで銘板の書の揮毫を依頼されたものと思っている」とあいさつした。
地元からは新山理事長が「飛鳥乃湯泉は、道後温泉のシンボルとして、市民や国内、海外の観光客を楽しませてくれる。地元の関係者が熱望した温泉施設であり、開業には非常に感謝している」と述べた。
式典では、一番風呂の当選者の発表や、銘板のお披露目なども行われた。