江戸幕府から明治新政府の誕生にと日本が大きく変わる中で、その生みの苦しみとも言える戊辰戦争が勃発。鳥羽伏見の戦いから江戸城の無血開城、東北地方や北海道南各地での激戦を経て、1869年6月に終結し、今年で150年となる。
その最後の戦いが行われた函館市など道南10市町では、戊辰戦争終結150年記念プロジェクト「みなみ北海道最後の武士(もののふ)達の物語」という、歴史モニュメントの設置や、その地を巡るスタンプラリーなどの事業を展開している。
戊辰戦争に関わる道南の歴史や人物、物語を掘り起こして発信し、みなみ北海道の広域観光につなげるのが狙い。
10市町と商工会議所、観光協会などで実行委員会を結成し、6月末までに10市町の26カ所にその地の歴史やゆかりの人物などを紹介する高さ2~3メートルの円筒形や三角柱のモニュメントを設置。7月から設置地を巡るモバイルスタンプラリーもスタートした。
スタンプラリーは12月末まで実施。期間中、参加者は自由に設置地を回り、モニュメントからスマートフォンでポイントをゲットする。各エリアや全エリアの制覇に応じて認定書などをプレゼントするほか、全エリアの制覇者は道南各地の土産品が当たる抽選に応募することができる。
道南各地には、幕府艦隊を率いた榎本武揚をはじめ、新選組副長として各地を転戦した土方歳三、ペリー来航時に活躍した中島三郎助ら多くの武士達が集結し、新国家建設の夢を追って戦った多くの物語がある。
同プロジェクトの実現に奔走した実行委事務局長の中野晋さんは「10年間の継続事業と考えている。モニュメントも、来年度には道南の全市町に設置される。その拡大や活用を通じて、道南の歴史・文化をしっかり発信し、地域全体の連携による特色ある広域観光を活発にしていきたい」と話している。
新選組屯所跡地に立つ土方歳三のモニュメント(函館市)