近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(西野目信雄会長=ホテル大雪、2385会員)は30日、東京・白金台のシェラトン都ホテル東京で、第62回通常総会を開き、2017年度事業計画案などを審議、承認した。宿泊券については1070億円を必達目標として、会社とともにスピード感を持ち積極的に協力することを確認した。
総会には来賓を含め約200人が出席。冒頭あいさつした西野目会長は「昨年は、国内旅行は逆風で振るわなかった。反省を踏まえ、今年は勉強会を通じながら生産性の向上に努めたい」と述べた。宿泊券販売については「時代はリアルからITへ進むなど変化が急激に進んでいるが、その中で変化に対応し強みを生かして必ず1070億は達成しなければいけない」と呼び掛けた。また、民泊については「同じ条件なら良いが、今は条件があまりにも違う」との考えを示した。
KNT―CTホールディングスの戸川和良社長は16年度を振り返り「厳しい1年だった。熊本地震、台風などの自然災害をはじめ、旅行を取り巻く環境が非常に変わった。OTAの拡大、FIT化が進むなどお客さまの多様化が進んだ」と説明した。構造改革については「集中と分散を進め、ホールディングスへの情報の集中、分社化による意思決定の迅速化を図る。地域の誘客への取り組みを進めたい」と方針を示した。また旅連について「近旅連、ひまわり会、クラブツーリズムパートナーズ会の統合も視野に入れながら検討を重ね進めたい」と語った。
近畿日本ツーリストの田ヶ原聡社長は「昨年はグローバル事業、地域誘客事業、スポーツ事業の3本柱が順調に推移した。しかし、一般団体の落ち込みは想像以上だった。構造改革で地域、専門会社の自立とKNT各組織の結集を進め、リアルにこだわるエージェントとして取り組んでいきたい」と意気込んだ。
近畿日本ツーリスト個人旅行の岡本邦夫社長は「個人旅行は苦戦した。自然災害や海外でのテロの影響などで必要とされる商品造成ができず、さらにネットビジネスについていけなかった」と述べ、「現在、国内の企画造成はクラブツーリズムに集約し販売している。4月からはメイトが2桁伸張するなど堅調に推移している。添乗員付きのツアーを多く取り入れるなどOTAとの差別化を図りたい」と今後の成長を誓った。