ＶＲ機器を装着し遠隔旅行体験会を楽しんだ
近畿日本ツーリストは３日、ウェアラブル端末（ＶＲ機器）などを活用し、ライブ配信で音楽や音などが体験できる遠隔旅行体験サービスに向けた実証実験を、福島県の特別養護老人ホームいいたてホームで実施した。同日に福島県で開催されたイベント「ふくしまミュージック花火２０１７」の様子を、ＶＲ機器などを使用し入居者など約４０人が楽しんだ。
実証実験は約４０キロ離れた花火イベント会場からライブ配信された、３６０度パノラマ動画撮影された花火の映像と音を、ＶＲ機器を使用し提供。いいたてホームの入居者や職員は、ＶＲ機器を頭部に装着し、花火の映像を見たり音を聞くなどして花火ショーを楽しんだ。このほか、音の振動が体に伝わり臨場感を味わえるボディソニックチェアの体験なども行った。
イベント終了後、遠隔旅行を体験した入居者は「花火を離れたところから見られて良かった」と喜びを表した。一緒に参加した職員は「いつも１８時に食事を終えると寝てしまう人が多いのに、今日はこんな時間まで花火と取り組みに興味を持って見ていた」と驚いた。
実証実験を担当した同社の担当者は「２０２０年の５Ｇの商用化へ向け、映像と音声の同時配信の安定性やライブ配信に合う素材、対象の検討において大変良い実証の場だった」と実用化に向け手応えを語った。
同社は、実証実験を通じ新たな旅の提案として、ヴァーチャルリアリティ（ＶＲ）と通信を使用して各地をリアルタイムでつなぎ、その場に居ながら旅行体験ができるライブ配信による遠隔旅行体験サービスの提供を図る。
また、本サービスの実現で、ヴァーチャル体験を通じて旅に出れない人でも旅やイベントに参加できるユニバーサルツーリズムの推進や、訪日旅行促進に向けた自治体、企業などのプロモーション、ビジネストリップでの出張費削減、働き方改革への貢献なども視野に、プラットフォーム化に向け事業構築を目指す。
