尖閣諸島沖の衝突事件を受けて、中国からの訪日旅行は、国慶節の大型連休期間中(10月1〜7日)のキャンセルは少なかったが、連休明けの新規予約は昨年より大幅に減少していることが分かった。観光庁の溝畑宏長官が9月29日の定例会見で、旅行会社へのヒアリングなどをもとに明らかにした。
公務旅行や企業のインセンティブ旅行にもキャンセルが多発している。観光庁によると、中国各地の観光当局から現地旅行会社に出された訪日ツアーの自粛要請は、10月4日現在で解除された情報はないという。
一方で中国国家旅游局は9月30日、ホームページに、福岡で中国人客が乗る観光バスが「右翼」の妨害を受けたとして、訪日旅行者に安全への注意を喚起する文書を出した。
日中関係について溝畑長官は「観光立国を目指す中で日中間の観光交流は拡大しなくてはいけない。社会経済の情勢は変動しているが、着実に交流を積み重ねていけるよう努力していきたい」と述べた。
「日本にお越しを」中国にメッセージ JNTO
日本政府観光局(JNTO)は9月29日、中国向けに訪日旅行を呼びかけるメッセージを間宮忠敏理事長の著名入りで配信した。現地宣伝事務所から旅行会社や報道関係者などにメールで配信したほか、JNTOの簡体字ホームページにも掲載している。
メッセージは、「秋を楽しみに、日本にお越しください」の表題で、紅葉や温泉、食の魅力などに触れた上で、「今、日本を旅行している中国の皆さまも温泉、ショッピングなどを楽しんでいる。美しい秋の季節に日本に来られることを心からお待ちしています」とPRしている。