訪日回数増えるほど旅行支出・地方訪問率が上昇 観光庁がインバウンド動向分析


訪日10回以上のリピーターは「温泉入浴や「日本の酒」を満喫

観光庁はこのほど、訪日外国人旅行者の訪日回数と消費、滞在中の行動の関係について統計調査を基にした分析結果を公表した。観光・レジャー客の訪日リピーター(2回目以上)の8割以上を占める韓国、台湾、中国、香港では、訪日回数の増加とともに1人当たりの旅行支出が高くなる傾向が顕著だった。訪日を重ねるほど、地方を訪問する率も高まり、「温泉入浴」や「日本の酒を飲むこと」などの実施率が上昇することも分かった。

訪日外国人旅行者に占めるリピーターの割合は、全体の約6割で近年大きな変化はないが、旅行者数の増加に伴って実数は年々増加。2017年は、訪日外国人旅行者数2869万人のうちリピーターが1761万人と推計されている。

観光・レジャー客のリピーターは東アジアが中心で、17年のリピーター数は韓国が約370万人、台湾が約310万人、中国が約230万人、香港が約160万人と推計。特に台湾、香港は、訪日回数が10回以上のリピーターが、観光・レジャー客全体の約2割を占める。

訪日回数の増加に伴って観光・レジャー客1人当たりの旅行支出は増加する。韓国は1回目が6万5千円だが、6~9回目で7万1千円、10回以上で8万4千円に増加する。台湾は1回目が11万9千円、6~9回目が13万5千円、10回以上が14万6千円。中国は1回目が22万1千円、6~9回目が28万4千円、10回以上が30万2千円。香港は1回目が14万3千円、その後横ばいだが、10回以上では19万8千円。各市場いずれも10回以上のリピーターは、1回目に比べて2~4割程度支出が増加している。

三大都市圏以外の地方への延べ訪問率(旅行者が各道県を訪れた割合の合計)も、訪日を重ねるごとに上昇する。韓国は1回目が62%、2~9回が82%、10回以上が99%。台湾は1回目が78%、2~9回目が100%、10回以上が119%。香港は1回目が72%、2~9回目が93%、10回以上が115%。中国は訪日回数によって延べ率は増加しないが、1%以上の訪問率の地域は1回目が15都道府県なのに対し、10回以上では29都道府県に広がっている。

リピーターは、日本滞在中にどのような行動をとっているのか。訪日回数が増えるほど、実施率が上昇するのが「温泉入浴」や「日本の酒を飲むこと」。反対に「テーマパーク」などは実施率は低下する傾向がある。

「温泉入浴」の実施率を見ると、台湾は1回目で33%、10回以上で49%。香港は1回目で36%、10回以上で50%に上昇する。「日本の酒を飲むこと」は、中国が1回目で32%だが、10回以上で45%。香港は1回目で31%だが、10回以上で46%に上昇する。

一方で「スキー・スノーボード」は、実施率の低さに対して、「次回の訪日でしたいこと」に選択される率が訪日回数にかかわらず高くなっている。

 
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