観光版「薩長土肥」が発足


横断幕を持つ(右から)山口、尾崎、村岡、伊藤の各氏

横断幕を持つ(右から)山口、尾崎、村岡、伊藤の各氏

 「ニッポンの旅の夜明けです!」——2018年に明治維新150年を迎えるのを前に、「薩長土肥」の知名度を生かした観光PRを展開しようと、鹿児島、山口、高知、佐賀の4県が「平成の薩長土肥連合」を結成、8月31日には4県の知事が集まり、都内で「盟約締結式」と記者会見を行った。明治維新同様、日本の観光に革命を起こすのか、“観光版”薩長土肥連合の成り行きが注目される。

 09年10月、観光産業の育成・強化を目的に鹿児島県観光連盟と山口県観光連盟が盟約を締結し、「薩長連合」を発足。両県での観光情報発信や観光客の誘致などを展開した。その後、明治維新150年に向けた連携拡大について高知、佐賀両県に打診し、14年2月、「明治維新150年に係る薩長土肥連携事業連絡会議」が発足した経緯がある。

 同日、港区の明治記念館で、鹿児島の伊藤祐一郎知事、山口の村岡嗣政知事、高知の尾崎正直知事、佐賀の山口祥義知事が顔をそろえ、盟約締結式に臨んだ。スーツ姿の伊藤知事以外は坂本龍馬や大隈重信など、幕末に活躍した偉人に扮した姿で登場し、気合十分だった。

 会見に先立ち、薩摩観光維新隊や土佐おもてなし勤王党などがPRパフォーマンスを披露した。

 薩長土肥の知名度を生かし、4県合同の観光情報発信による知名度向上のほか、(1)幕末・維新期の歴史や人物をテーマにしたツアーをまとめ、新たな広域観光周遊ルートの形成(2)全国的にも珍しい遠隔地同士での相互送客体制づくり—などを目指す。

 例えば、誘客に向けた旅行商品の造成については、観光素材集の作成、旅行会社のヒアリングによるテーマ・ルート構築、合同説明会の開催、クルーズ誘致など商品造成に向けた売り込みなどを展開する。

 また、4県それぞれにプロジェクトチーム(PT)を設け、推進方策を決める。具体的には鹿児島は観光コース造成、山口はプロモーション、高知はイベント関連、佐賀は誘客対策を担当する。

 会見で各知事は、「明治維新のような新しい時代にチャレンジしたい」(伊藤知事)、「連携して観光力を高めたい。ストーリー・テーマ性を持つことが重要だ」(村岡知事)、「4県の発信力で多くの観光客が訪れるようにしたい」(尾崎知事)、「手を取り合ってこの国(観光)をリードしていきたい。それぞれ誇りがあり、自信を持ったおもてなしができる」(山口知事)と抱負を述べた。

 ちなみに、16年は薩長同盟150年、17年は大政奉還150年にあたる。

横断幕を持つ(右から)山口、尾崎、村岡、伊藤の各氏
横断幕を持つ(右から)山口、尾崎、村岡、伊藤の各氏
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒