住宅の空き室などを宿泊サービスに使用する民泊の問題に関して、観光庁の田村明比古長官は18日の専門紙向け会見で、厚生労働省とともに今月中に立ち上げる有識者会議の議論を経て、ルールづくりなど今後の対応に方向性を打ち出す考えを示した。
田村長官は、外国人旅行者の増加に伴う大都市の宿泊需給のひっ迫の対策として「民泊は有力な選択肢の一つ」と述べると同時に、利用者のトラブル防止や仲介業者の関与のあり方、近隣住民への影響など、解決すべき課題も多いと指摘した。
民泊の規制緩和に反対する宿泊業団体などの意見については、「いろいろなご意見があることは承知している。それらの考慮すべき事項を踏まえたルールができればいい」と述べた。
宿泊サービスを巡るイコールフッティング(競争環境の平等化)の観点では、「既存の宿泊業界との公平公正な競争条件も考えなければいけない。仮に問題となるならば、既存の業界を縛っている規制を現代の状況に合わせて、変えていく必要があるのか、必要がないのかも検討する」と述べた。
政府は、6月に閣議決定した規制改革実施計画で、インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘などを使用した民泊サービスについて、関係省庁で実態を把握した上で、旅館・ホテルとの競争条件を含め、幅広い観点から検討し、来年に結論を得ると定めている。