観光庁はこのほど、国際的な短編映画際を主催するショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)と連携した「旅シヨーットプロジェクト」の一環として、共同制作した特別作品「青春マンダラー!」を発表した。俳優の柏原収史さんや知念里奈さんが出演、沖縄・竹富島の魅力が満載の短編映画だ。また、日本の旅や観光資源をテーマに作品を公募した選考部門の入選作も発表した。いずれも6月に東京で開催される国際短編映画祭で上映される。映画祭後も作品を観光プロモーションなどに活用できるようにする。
SSFF&ASIAは、米国アカデミー賞公認、日本発のアジア最大級の国際短編映画際。1999年の開始以来、世界の若手映像作家らの作品を紹介してきた。今年は6月10〜13日、16〜20日に東京の表参道や原宿で開かれる。96カ国から4千本を超える応募作品の中から約100本を上映、グランプリや各部門賞を決める。
観光庁とSSFF&ASIAは昨年、旅シヨーットプロジェクトを立ち上げた。「旅に出たくなる」「日本に行きたくなる」ような短編映画を通じて、日本の観光を盛り上げるのが目的。SSFF&ASIAの代表は俳優の別所哲也さんで、観光庁の「YOKOSOジャパン大使」にも任命されている。
特別制作された「青春マンダラー!」は、竹富島に伝わる長寿の祝いの祭り“マンダラー祝い”を迎える“おばあ”のために久しぶりに島に戻ってきた青年と幼馴染の女性が再会したことから始まる物語。13分53秒の作品だが、竹富島の魅力もふんだんに織り込まれている。
旅シヨーットプロジェクトの選考部門では、北海道から沖縄まで全国各地から短編71作品の応募があり、9作品を入選作に選んだ。秋田県を舞台にした「北秋時間」、北九州のさまざまな表情を描いた「瞬くほど曖昧な夕暮れに」、母の遺灰をまくために日本を縦断する「いのなかのかわず」など、日本各地の美しい風景などを舞台にした力作が揃った。映画祭では9作品の中から国土交通大臣賞を選ぶ。
3月30日には、観光庁国際会議室で完成発表会も開かれた。別所さんのほか、藤本祐司国交大臣政務官、溝畑宏観光庁長官らが出席。別所さんは「旅をしたくなるような作品を世界に発信していく。国内旅行に加え、インバウンドの振興にもつながるようにしたい」と語った。
特別制作作品「青春マンダラー!」のひとコマ。主演の知念さん(写真左)と柏原さん
(写真右から)記者発表する別所さん、藤本政務官、溝畑長官