観光団体の主催による「日・ASEANの観光交流を深める会」が5日、東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた。経済成長に伴って訪日旅行者が増加しているASEAN(東南アジア諸国連合)の10カ国の駐日大使館、政府観光局、航空会社の代表者らを招待し、日本の観光関係者と親ぼくを深めた。参加者は約500人に上り、相互交流の拡大への機運を盛り上げた。
会を主催した実行委員会の構成団体は、日本観光振興協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本旅館協会、日本ホテル協会、日本百貨店協会。
実行委員長の山口範雄・日観協会長は「日本からは年間330万人がASEANを訪れているが、ASEANからの訪日はその2割に満たない。今年の日本・ASEAN友好協力40周年などを契機として、双方の関係者が一致結束し、交流を拡大させよう」と呼びかけた。
政府からの来賓は、太田昭宏国土交通相、鶴保庸介国交副大臣、坂井学国交大臣政務官、観光庁の久保成人長官のほか、菅義偉内閣官房長官らが会場に駆け付けた。あいさつで太田国交相は、7月にASEANの5カ国を対象に訪日ビザ(査証)の要件を緩和したことを紹介し、「ビザ緩和を訪日旅行者の増加の起爆剤にしたい」と述べた。
ASEANからは、マニュエル・エム・ロペス駐日フィリピン大使が「観光は雇用を生み、地域経済を潤す。双方向の観光交流の拡大を歓迎する」と述べたほか、タナーティップ・ウパティシン駐日タイ大使が「日本のビザ緩和は、ASEANとの交流をより緊密にさせる。観光振興は人と人の交流であり、協力関係の強化につながる」とあいさつした。
7月のビザ緩和の対象国以外から、新たな要件緩和を期待し、相互交流を活性化させようという呼びかけも。ケントン・ヌアンタシン駐日ラオス大使は「ASEAN10カ国すべてにビザ緩和が及ぶように期待している。同時に日本からもより多くの観光客にASEANの国々を訪れてもらいたい」と述べた。
ASEANの加盟国は、フィリピン、タイ、ラオスのほか、カンボジア、インドネシア、マレーシア、べトナム、シンガポール、ブルネイ、ミャンマー。
約500人が参加し交流を深めた