政府の審議会、規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は19日、規制改革に関する第4次答申をまとめ、首相に提出した。民泊のあり方に関しては、旅館業法とは別に新法を整備し、法案を今年度中に提出するように提言した。家主居住、家主不在の物件の両方を対象とし、年間の提供日数に制限を設け、180日以下の範囲内で設定するように求めた。住居専用地域での実施を可能とするが、地域の実情に応じて条例などで実施を認めないことも可能とする。
住宅提供者の届け出制、管理者、仲介事業者の登録制などの基本的な制度設計は、厚生労働省、観光庁が設置している「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の検討内容を反映させていることから、ほぼ同じ枠組みとなっている。
民泊を「住宅を活用した宿泊サービス」と位置づけ、家主居住型、家主不在型の両方を対象とする。既存の旅館・ホテルと異なる制度になるため、年間提供日数には上限を設ける。「半年未満(180日以下)の範囲内で適切な日数を設定する」と記述した。
立地規制の関係では、家主居住型、家主不在型のいずれについても住居専用地域での民泊の実施を可能にする。ただし、「地域の実情に応じて条例等により実施できないことにすることも可能にする」と明記した。
規制改革会議の委員、安念潤司氏(中央大学法科大学院教授)は、23日に開かれた厚労省、観光庁の検討会に出席し、答申について説明。年間提供日数180日以下の要件については、「住宅と言うには、年間の半分が範囲内。具体的な日数については検討会で議論してほしい」と説明。宿泊人数や面積など、他の要件を設けることも排除していないという。
規制改革会議の答申を受けた政府は、今月末に規制改革実施計画を閣議決定する予定。