衆院国土交通委員会は5月30日、住宅宿泊事業法案(民泊法案)の審議で、政府への質疑に先立って参考人の意見陳述の機会を設け、岡山県・湯郷温泉の旅館、ゆのごう美春閣の永山久徳氏をはじめ民間の有識者3人から意見を聞いた。
永山氏は、民泊利用を前提としたマンションなど、家主不在型、投資目的の民泊について、旅館・ホテル業などと競争条件が平等となる規制のあり方を求めたほか、用途地域制限が適用されないことによる地域の生活環境への悪影響を懸念した。
都道府県、保健所設置市などが条例で区域を定めて、民泊の提供日数を制限できる規定については、「市町村で条例の制定を可能にすること、各地域の自治会や近隣住民の同意を条件にすることなど、地域の実情に応じた運用条件の整備を切望する」と意見を述べた。
他の参考人では、厚労省、観光庁が設置した「民泊サービスのあり方に関する検討会」で座長代理を務めた弁護士の三浦雅生氏が、検討会での議論の経過などを説明。都市計画学を専門とする神戸松蔭女子学院大学教授の中林浩氏が、地域のコミュニティなどに配慮した適正な民泊規制を求めた。