自動車旅行推進機構発足、日観協やJTBなど参加


 マイカーやレンタカーなど自動車を使った旅行の推進を目指し、19日、「自動車旅行推進機構」が発足した。幹事団体・企業には日本観光協会、JTBなどが名を連ねている。自動車利用による旅行や観光という視点で作られたコンテンツや情報提供システムはほとんどないのが実情。同機構はこうした状況を改善、自動車旅行の利便性・快適性を向上させ、観光需要を拡大する。

 同機構は観光、自動車、道路といったキーワードでつながる企業や団体などが連携、旅行者ニーズに対応した自動車旅行の環境づくりを実現するため、調査研究や汎用性のあるデータベースの整備などに取り組む。事務局は日観協総合研究所が務める。

 設立趣旨書によると、自動車を活用した旅行環境は、(1)ETCやカーナビゲーションの急速な普及と次世代メディアの開発・活用による各種情報提供(2)高速道での多様なサービス提供機能の強化(3)道の駅や物産販売施設など関連施設の整備と利用の拡大(4)サービスステーションとしてのガソリンスタンド多機能化に向けた取り組み──などもあり、大きく変化している。

 日観協の調べでは、宿泊観光旅行での自家用車利用の割合は06年で53%。JRや私鉄などの鉄道利用(31.1%)、飛行機利用(10.7%)を大きく上回っている。レンタカーは3.8%。

 自動車旅行は増加傾向にある。00年は49.8%だったが、01年から50%を超え、マイカー、レンタカーを合わせ、今や旅行者の約6割が車を使っていることになる。背景には車そのものの技術の発達や性能向上、高速道など道路環境の充実もあるが、最近では(1)グループや家族旅行の増加(2)交通費節約(3)ワンボックスカーやRV車の台頭──などが拍車をかけているという。

 半面、自動車旅行を視野に入れた情報やサービス提供は極端に不足し、「観光地にあっても自動車による旅行者を積極的に受け入れてきたとはいえない」(関係者)のが実情だ。

 自動車旅行は点から面への観光地づくりの推進(広域観光)にもつながる。観光地についても、(1)積極的に受け入れることで観光客の増加や自動車による旅行者向けの宿泊施設の需要拡大が期待でき、地域活性化が図れる(2)自動車マニアやツーリングファン、モータースポーツファンを対象にした新しい観光地の創造が可能(3)団体客の受け入れできない小規模宿泊施設の活性化──といった効果も見込まれる。

 これまで意識されなかった自動車旅行だが、同機構設立を機に、国内観光旅行の新たなスタイルとして確立する可能性が出てきた。

 なお、幹事団体・企業は次の通り(順不動)。
 日観協▽JTB▽博報堂▽デンソー▽知財事業化協会▽全国石油商業組合連合会▽ゼンリンデータコム▽東日本高速道路▽日本自動車連盟▽松下電器産業▽NTTコミュニケーションズ▽都市農山漁村交流活性化機構

 
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