研秀出版(黄木寺鳳惇社長)と学研ステイフル(古岡秀樹社長)はこのほど、緊急地震速報の受信装置「デジタルなまず」の販売事業を開始した。両社は、学研グループの一員として情報の新たな価値創造に取り組むなかで、地震災害から命と財産を守る同受信装置の社会的貢献度の高さに着目し、デジタルなまずを開発、製造するスリーソフトジャパン(井植浩之社長)のシステムを扱うものとした。
緊急地震速報とは、気象庁が全国1千カ所に設置した地震計からの情報を収集、分析することによって、震源地の位置、発生時刻、マグニチュードといった情報を緊急発信するもの。
デジタルなまずは、インターネットを通じてこの速報をキャッチし、設置場所への大きな揺れの到達予想秒数と予想震度を音声と文字情報で知らせる働きをする。主な特長は(1)エレベーター、電気関係、放送他の施設の制御システムと連動可能(2)パソコンなしで設置可能(3)音声、文字の警告方法をユーザーが自ら調整可能(4)サーバーメッセージを通して、時間を補正、完全停電時も1日以上リアルタイムを保障(5)複数台の設置で大規模施設の安全もカバー──など。
価格は本体とサウンドユニットのセットで税込み11万7600円。1回線あたりのサーバー利用・情報配信料は1万500円(工事費は別途)。
両社は当初、旅館・ホテルなどを含む法人、学校・幼保育園、病院・介護施設などへデジタルなまずの販売を展開。提供先に制限のある緊急地震速報が9月をめどに一般公開される予定のため、以後に事業展開の拡大を見据えている。
問い合わせ先は、研秀出版(東京都品川区西五反田4-28-5学研第3ビル別館、TEL03・3493・3121)。