福島県は7日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで、旅行会社やマスコミ関係者らを対象に、「ふくしま七転び八起き観光キャラバン」を開催、来年4月から6月まで実施するアフターDC(デスティネーションキャンペーン)を中心に県の魅力をアピールした。交流会には内堀雅雄知事も駆けつけ、アフターDCの成功を誓った。
昨年の観光入込数は約4689万人で、東日本大震災前(10年)の8割程度まで回復しているが、「教育旅行とインバウンドはいまだ厳しい状況が続いている」と内堀知事。
今年4〜6月に実施したふくしまDCの入込数は前年同期比12.2%増の約1358万人と大きく増加。アフターDCで観光素材(旅行商品)や地域の取り組みの定着化、持続可能な観光推進体制の確立を図る。
アフターDCでは特別企画を用意、誘客につなげる。まず、4〜5月に県立美術館で「フェルメールとレンブラント17世紀黄金時代の巨匠たち」展を開く。「水差しを持つ女」の日本初公開のほか、4月11、18日の休館日には旅行ツアー限定の特別公開も行う。
また、ふくしまDCで好評だった温泉旅館の「小原庄助のんびりプラン」(朝寝、朝酒、朝湯+朝スペシャル)をパワーアップ、「夜酒」と称して地酒1本と地肴を提供する。100軒超の旅館・ホテルが参加する予定だ。また、「旅行会社のプランに組み込めるよう、9月末まで実施する」(県観光交流課)。
交流会で主催者を代表してあいさつした内堀知事は、「(アフターDCでは)三つのテーマである、花、食、温泉を磨き上げる。さらに(福島の誇る)日本酒を強化し、酒蔵ツーリズムとして大人の魅力を発信したい」と抱負を述べた。
交流会には観光庁の蝦名邦晴次長や旅行会社のトップらも出席。東北観光推進機構6社協福島支部を代表してあいさつしたJTBの高橋広行社長は、「観光立国の実現は福島の観光復興なくしてはあり得ない。来年は震災5年の節目を迎える。(われわれ旅行会社は)魅力ある商品を造り、集中販売していこう」と呼びかけた。
名鉄観光サービスの広川勝彦常務関東営業本部長の乾杯後、出席者は県産食材を使った料理に舌鼓を打っていた。
交流会であいさつする内堀知事