福島県いわき市のいわき湯本温泉の関係者で構成する「フラのまち宣言」推進委員会が主催するイベント「フラのまちオンステージ2017」が今年も開催される。鶴の足湯広場で9月まで月1回、旅館の女将でつくる「湯の華会」のメンバーが着物でフラを披露する。昨年に続く開催で、東日本大震災で落ち込んだ観光客の回復に向け、フラによるおもてなしを展開する。
湯の華会をはじめ、いわき湯本温泉の観光、商工関係の団体は、2015年8月に「フラのまち宣言」を採択。「温泉の持つ『和』の文化と、スパリゾート・ハワイアンズに代表される『フラ』の文化を融合することにより、ここにしかない新たな文化を創造した『まちづくり』を行い、ここに住み、暮らし、訪れるすべての皆さまに元気と笑顔を届ける」と掲げた。
宣言に伴い「フラのまち宣言」推進委員会を発足させ、おもてなしや商品開発、まちづくりに取り組んでいる。フラのまちオンステージは昨年立ち上げたイベントで、7~12月の期間に開催し、観光客に好評だった。
フラのまちオンステージには、着物でフラを踊る女将「フラ女将」たちが出演するほか、地元住民のグループなどもフラを披露する。観光以外の地域関係者の支援を受けながら開催するおもてなしイベントだ。
開催はいずれも土曜日で、初回は5月13日に予定されていたが、雨のため中止となってしまった。今後の開催は6月10日、7月8日、8月19日、9月9日。さらに10月14日には、「フラのまちフェスティバル2017」を開催する。フェスティバルは初めての企画で、フラ女将だけでなく、地元の高校生、高齢者などの住民グループにも出演してもらう。
「フラのまち宣言」による地域づくり、フラ女将の活動はフラの披露だけにとどまらない。観光情報を発信する小冊子「フラ女将」の発行、レトルトカレー「フラ女将カレー」の発売といった取り組みも。市内の酒蔵、太平桜酒造からは、フラ女将をラベルに起用した「純米酒 絆 フラ女将」も販売されている。昨年からは、酒づくりに使用する米づくりにフラ女将が参加。今年も6月の田植えに参加する予定だ。
「フラのまち宣言」を生かした地域活性化について湯の華会副会長、雨情の宿新つたの女将、若松佐代子氏は「震災があったからといってうつむいてはいられない。観光の活性化はもとより、私たちが楽しくやれば、住民の皆さんも元気になり、その元気が子どもたち、次世代にもつながっていく」と話している。
「フラ女将」のラベルを使用した地酒