石川県白山市の「白山開山1300年記念事業SNS広告を利用した情報発信に係る運営管理業務」が第2回「JLAA地方創生アワード」の最優秀賞を受賞


 石川県白山市の「白山開山1300年記念事業SNS広告を利用した情報発信に係る運営管理業務」が第2回「JLAA地方創生アワード」の最優秀賞を受賞した。

全国の都道府県に本社を置く広告会社を会員に日本最大の広告会社ネットワークを有する 一般社団法人日本地域広告会社協会(略称:JLAA、所在地:東京都港区新橋6-14-5、理事長:後藤 一俊・株式会社中広代表取締役、会員数:74社 http://www.jlaa.jp/)はこのほど、第2回「JLAA地方創生アワード」の受賞者を決定しました。

 

全国各地の地方自治体では、地方創生に向けたさまざまな取り組みを進めています。こうした中で、当協会は優秀な先進事例を社会全体で広く共有していくため、昨年度「JLAA地方創生アワード」を創設しました。2回目となる今回は、会員社が平成29年(1月~12月)に地方創生の分野で関わった地方自治体(都道府県及び市町村)が主管する事業が全部で74件にのぼり、その中から優秀な事業にエントリー頂き、審査を経て、最優秀賞3事業、優秀賞3事業の各賞を下記のとおり決定しました。

 

 

《総評》

2回目になるJLAA地方創生アワードですが、今回の受賞案件には、白山開山1300年記念事業やユネスコ無形文化遺産に登録された桑名市の石取祭、NHKの大河ドラマを受けて実施した恵那市の女城主PRキャンペーンなど、ある特殊な「タイミング」に合わせた事業が目立ちました。地方それぞれに独自の歴史や文化があり、それを単純に知らせていくというプロモーションが多くなってしまいがちですが、周年などの歴史的な事実や受賞といった、その時にしかないという事実に合せて大きな仕掛けを作っていくことは非常に大切だとしめしてくれる三つの事業でした。

また、移住定住促進に関する事業が2件、受賞されました。全国の自治体が抱えている問題ということで、工夫されている部分が受賞をきっかけに他自治体の参考になれば幸いです。もう1件は、日本が国として直面している農林水産品の輸出促進という課題に対して、外国での話題醸成に成功したテレビ局招聘事業。日本の農林水産品は世界中の富裕層に人気ですが、地方自治体レベルで見た場合は他のエリアと競争状態になっているのも事実。ターゲット国の国民性までを知り尽くした当該国の制作スタッフが作るテレビ番組での報道、放映という手法は見習うべきものがあると判断しました。

 

= 第2回「JLAA地方創生アワード」の概要 =

名称:          第2回「JLAA地方創生アワード」

選定期間:     2017年1月1日~3月19日

対象事業:     JLAA会員が地方創生の分野で関わった、地方自治体(都道府県及び市町村)が主管する

平成29年1月~12月に実施された事業

表彰対象:     都道府県及び市町村

選定方法:     対象期間中にJLAA会員社が受託した地方自治体の地方創生事業のうち、優秀と思われる事業                  について詳細な資料を提出して頂き、審査委員会で審査を行い、各賞を確定しました

審査委員:     JLAA役員9名(石田、粂田、間島、古賀、谷川、春元、松岡、大久保、寺坂)

 

<最優秀賞>

◆事業名:石川県白山市「白山開山1300年記念事業SNS広告を利用した情報発信に係る運営管理業務」

(講評)

富士山、立山とならび「日本三名山」の一つの白山。古くから人々が祈りをささげてきた“霊峰”に、越前の僧が初めて登ったのが養老元年(西暦717年)ということで、2017年が白山開山1300年。この大きく壮大なテーマをプロモーションにどう生かそうかと考えた経緯が見えてくるような、ストーリー性のある展開。東京から白山に一気に持ってくる「わたしのククリ」のストーリーは、現代と1300年前を繋げているような情景を作っていて惹かれるコンテンツ。Facebook広告含め、インスタ映えの時代にあった「写真」を意識した展開も、白山に来て欲しい、と訴えたいターゲット層を明確に意識した戦略と評価に値する。

~審査委員コメントからの一部抜粋~

✔どことなく一世を風靡した映画のようなストーリー仕立てで、絵コンテ・展開案を読み込んでしまいました。実際の動画も拝見しましたが、クオリティも高く(女優も!)素晴らしいと感じました。

✔女性モデルを使用した首都圏とは⽯川県を結びつけるストーリー性のある内容で、観光地、名産品、お店などを紹介しながらのドラマに、リアルが結びついたおもしろい展開。特に白山の恵みを中心に、街の人の生業が山とのつながりがあり感謝と懐かしさなどが表現できていた。

✔単なる魅力紹介ではなくストーリー化して見せるという展開が、ユーザーへの関心を引き付けるユニークな切り口だと思いました。

<受賞者コメント>

このような素晴らしい賞をいただき、誠に光栄です。白山が開山1300年を迎えたことを契機とした記念事業の一環として作成したPVです。地域の方々のご協力を得ることで、ストーリー仕立ての動画で白山市の人の温かさが伝わる作品に仕上がったと思っています。ターゲティングにも力を入れ、より効果的に「お届け」することを意識しました。これからも時代を先取りする情報の発信の形にチャレンジしていきたいです。

 

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◆事業名:岐阜県恵那市「女城主PRキャンペーン」

(講評)

2017年のNHKの大河ドラマは浜松を舞台にした「おんな城主 井伊直虎」。同じ女城主がいたという逸話が残る岩村城をもつ恵那市が、大河ドラマ放映開始前から動き出したということがまず評価できる。首都圏でのメディアコンタクト活動でのパブリシティ確保という話題醸成作戦だけでなく、どの地方自治体でも抱える「お金を落としてくれるもの」が無い(少ない)という課題の解決を同時に進めている点は天晴れ。行政機関が、地元の商店、旅館などを巻き込んでいく活動は非常に苦労するのが常ですが、メディアでの報道によって地元の関係者のモチベーションが上がっていったのは想像に難く無く、非常に巧みな戦略PRと言えると思う。

~審査委員コメントからの一部抜粋~

✔特に感心したのは、オリジナルメニュー開発と宿泊メニューの企画です。

✔地方創生において、地元に元々ある素材(ネタ)をいかに発掘し、PR手法を用いての話題づくりと情報発信を行っていけば良いかを学ぶ手本となる事業である。時も、NHK大河ドラマ「女城主 直虎」に便乗させての展開であり、メディアの関心を寄せることにも成功している。

✔地域でのおみやげ開発や、宿泊促進など商品開発も多岐にわたっており、今後の継続的な話題作りが一層期待されます。

<受賞者コメント>

今回初受賞ということで、大変光栄に思います。恵那市の観光資源と「女城主の里いわむら」を掛け合わせて、効果的に情報発信することができました。今後も恵那市の観光情報発信に留まらず、近隣市町等と広域で連携し、周遊できる施策を図るなど、誘客業務に努めてまいります。

 

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◆事業名:岡山県「香港での岡山ブランド農林水産物情報発信強化業務」

(講評)

地方自治体の外国でのプロモーションでは、ターゲット国での展示会出展やイベント開催など様々な取り組みがなされてきていますが、どの国でも「外国」のものが食べたい、「外国」に旅行したい、というターゲット層は一定の所得水準に達している人達で、そのものの価値は当たり前ですが、どうしても「流行感」に敏感という現象がおきます。「美味しいから買って」というのは当たり前で、「流行っているから買って」という戦略をとる必要があり、この点で、外国の有力テレビ局を招致し、報道して頂いたという戦略は非常に価値のある動きだったと思います。一般に、日本のモノは外国では品質が良いと人気の的ですが、ではどれが良いのか?となると分からなくなります。香港TVBでの報道は香港人の消費行動、そのものに影響を与えたようで、シンプルかつ優秀なプロモーション事例と言えるでしょう。

~審査委員コメントからの一部抜粋~

✔海外メディア招聘で関係性を構築し、高い視聴率を獲得した素晴らしい事例だと感じました。また瞬間風速的な反応だけではなく、SNSを活用してフォローしている点も効果的だと思います。

✔香港において岡山県の農作物が高品質であるというブランド化に成功し、視聴率の高い番組を獲得し放送されたことはとても大きな効果であったと思います。岡山だけでなく日本の農作物の評価を上げる一助になった内容と評価致します。

✔タイアップでコストを抑えながら、TVBの人気情報番組を招聘したことは大きい。

<受賞者コメント>

まずは、収穫及び集荷の最盛期に快く撮影にご協力をいただいた生産者の方々に御礼を申し上げます。今事業にて、生産者の方々が丹精込めて作られた岡山県産の高品質な白桃、ブドウを香港に広く情報発信でき、さらには白桃、ブドウを味わっていただければ幸いです。今後も、岡山県産の果物の輸出促進に取り組んでまいります。

この度は、誠にありがとうございました。

 

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<優秀賞>

◆事業名:岐阜県「岐阜県移住定住総合ガイドブック及びモデルブック」

(講評)

「移住しませんか?」というガイドブックだけでなく、「移住したらこうだった」というモデルブックに軸足を置いた戦略をとっている点がシンプルに評価できる。モデルブックを手にした人が、岐阜の1年間356日をテーマに様々な生活シーンを、簡単にイメージ出来るようにしているデザイン的な工夫も優秀。移住定住プロモーションでは、どうしても、「移住して頂いたらこういう制度が使えますよ」「こんな美味しいものが食べられますよ」と、その地域の特長の説明だけになりがちですが、「住んでいる人」をとことん出すことで、移住した時の生活シーンを容易にイメージできるだけでなく、「この人達と一緒に暮らしませんか?」というメッセージにまで発展してくようなワクワク感まで作りだしてきている感じが評価できる。

~審査委員コメントからの一部抜粋~

✔子育て編~産業編まで、それぞれのモデルブックをテーマに合せて絞り込んだ誌面企画が素晴らしいと思います。

✔総合ガイドブックと実際の移住者の声を移住のモデル別に分けて制作している点や、A5判というポケットサイズで仕上げている点なども利用者視点に立っていてとても良いと思います。

✔総合ガイドブックのデザインとタイトルがいい。川の流れをモチーフとした曲線が全体的なほどよいゆるさを演出している。ページ構成も緩急をつけていたり、観音開きなど工夫を凝らしているようだ。

<受賞者コメント>

このガイドブックが魅力的なものとなったのは、岐阜県内のそれぞれの地域に根付いた暮らしをされている皆さまのご活躍あってのことです。作成にご協力いただいた方々に御礼を申し上げるとともに、今後も岐阜県での暮らしの魅力を発信して参ります。

 

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◆事業名:三重県桑名市「三重県桑名市フェア ~桑名市「石取祭と特産品見本市」~」

(講評)

二年連続受賞の桑名市。メディアとの関係を大事にするPR活動だけでなく、東京で祭りの体験コーナーやPRブース設置、物産展などのPRイベントを実施したところに積極的な姿勢が伺えると同時に、そのタイミングをユネスコの無形文化遺産に登録された「石取祭」の1カ月前に設定している点が非常に戦略的で評価できる。ユネスコに登録された33件の祭の中でも東京でその開催告知をイベントで実施している例は珍しく、その点でも先行事例と言える。東京駅前、KITTEの地下1階というロケーションを選定し、大音響で日本一やかましい祭と言われる石取祭の太鼓と鉦を打ち鳴らしたという話題性も十分。桑名市の過去の物販イベントと比較して最大の売上を達成した点も、数字的な明確な成果。

~審査委員コメントからの一部抜粋~

✔Tokyo City i開設以来の大音響という点と、従来のアンテナショップから飛び出したという、思い切った仕掛けが素晴らしいと感じました。

✔三重県のアンテナショップではなく、KITTEを会場選定されたことにより、広く多くの方々に直接的なPRが行われた事は、桑名市のブランディング構築に大きく寄与された事業であったと感じます。

✔演武やゆるキャラでのアテンション獲得に加え、KITTEを会場に選定したり、市長あいさつを通行量の多い時間帯に設定するなど戦略的に展開した様子がうかがえる。

✔「ユネスコ無形文化遺産」への登録を切り口にしたことが、メディア露出・過去最高売上につながった大きな要因であり、タイミングを逃さない事業展開の成功事例になっていると思います。

<受賞者コメント>

2年連続の受賞をたいへん光栄に思います。イベントでは、皆様のご協力のおかげで、本市が持つさまざまな魅力を発信することができました。今後も、桑名の素晴らしさを知っていただけるようPR業務に注力してまいります。

 

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◆事業名:岡山市「岡山連携中枢都市圏移住情報フリーペーパー企画・編集」

(講評)

岡山市の主管事業ということですが、岡山市、津山市、玉野市、総社市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、真庭市、和気町、早島町、久米南町、美咲町、吉備中央町の8市5町が、一種、競っているように見えるのは、読み手側からみると非常に興味を引く内容だと思う。普通、移住した場合は、周辺自治体がすべて生活圏になるわけなので、観光プロモーション分野のDMOと同様に、市町村の枠を超えた一定のエリアで統一的な読みやすいツールを作っていくことは、潜在的な移住希望者に対して丁寧な活動で好感が持てる。

~審査委員コメントからの一部抜粋~

✔市町村単独での広報ではなく、周辺市町村と連携した「面で捉えた移住促進」に寄与していると思われる。

✔イラストや写真で親しみのあるデザインで各市町村に配布し居住者も地元の良さを再認識する機会としてアピールし、結果多方面からの移住意識が広がるフリーペーパーとして役割を果たした親近感のある企画。

✔スッキリした見やすいデザイン、かつ比較しやすいコンテンツになっている。比較しやすい内容であるがゆえに、各市町の良さをきちんと打ち出すことに苦心されたように思う。

✔見開きで岡山県全体を見られるのは、その地域を知らない移住検討者にとって分かりやすいつくりだと思います。

<受賞者コメント>

8市5町もの団体が協力して取り組んだ点や、フリーペーパーというツールで展開した点など、意図した部分について評価いただいたことが何より励みとなりました。今後とも各市町で連携しながら、岡山の魅力を発信してまいります。

 

<最優秀賞>                           *役職は2018年3月時点です

石川県白山市

向かって左から、山田 憲昭・白山市長、毛利 文昭・観光文化部長

 

岐阜県恵那市

(一社)恵那市観光協会岩村支部 加藤 勝也・事務局長

 

岡山県

向かって左から

金平 啓二・岡山県農林水産部農政企画課対外戦略推進室総括副参事

有元 寿登・岡山県農林水産部農政企画課対外戦略推進室室長

 

<優秀賞>

岐阜県

梅本 雅史・岐阜県清流の国推進部地域振興課長

 

三重県桑名市

伊藤 徳宇・桑名市長

 

岡山市

向かって左から

木村 聡・岡山市市民協働局市民協働企画総務課 移住定住支援室 主任

藤原 亮・岡山市市民協働局市民協働企画総務課 課長

杉谷 仁・岡山市市民協働局市民協働企画総務課 副主査

江田 美幸・岡山市市民協働局長

 
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