静岡県熱海市は26日、東京都墨田区の銭湯「大黒湯」で新観光ブランドプロモーションのキックオフイベントを開催した。今年から3年間「意外と熱海」を統一テーマに、熱海の魅力を全国に発信していく。同市が3年間の長期ブランドプロモーションを行うのは初めて。プロモーション事業はJTB中部が担当する。
同市がこれまで行っていたプロモーションは単発のものが多く、イベントや広告ごとに異なる事業者に委託していた。そのため統一したイメージを発信することができず、誘客につながっていなかった。
市では昨年、市長と副市長、観光関係者、有識者で組織する「観光戦略会議」を立ち上げた。その中でプロモーションの強化を提言。今後3年間の中期にわり一貫性のあるプロモーションを手がける事業者を公募した。行政や観光関係者、市民らが提案内容を検討し、JTB中部に決定した。
JTB中部は「思いもよらず良かった」という発見が顧客満足度の向上につながると、「意外性」をブランドテーマに設定した。
長期に渡るブランドプロモーションは「大きな挑戦」と齋藤栄熱海市長は語る。「20〜30代を中心にレトロな熱海が意外と新鮮に映るようだ」と若い世代を中心に誘客を図りたい考えを示した。
同市の昨年の宿泊を伴う入り込み数は270万人。新プロモーション1年目は10%増を目指す。
同イベントでは秋のプロモーションについても説明が行われた。ミス熱海の高木菜水さん、沼田園乃子さん、市川恵理さんが秋のキーワード「芸術」「恋愛」「世界遺産」を発表。MOA美術館で9月1日から開催される「熱海アートフェスティバル」や、恋愛のパワースポットである伊豆山神社、初島から見える富士山などの魅力を披露した。