平家落人の里、栃木県日光市の湯西川温泉で6、7日の2日間、「平家大祭」(実行委員長・伴玉枝氏=本家伴久社長)が開かれた。6日の「平家絵巻行列」では、よろいかぶとで平清盛にふんした斎藤文夫日光市長、二院局(清盛の妻時子)の尼姿をした伴実行委員長らの総勢120人が温泉街を練り歩いた。中宮徳子(清盛の娘)を演じたのは2010年度ミス日本グランプリで上智大学4年の林史乃(みな)さん。勇壮な大行列に華を添えた。行列には地元の小中学生も多数参加。安徳天皇(徳子の子)役を湯西川小学校3年の大類叶愛さんが務めた。
また特別ゲストとして、東洋大学国際地域学部国際観光学科の梁春香教授、中国国家観光局の蘇濤課長ら19人の中国人も平家の武者姿で行列に参加した。
中国人ゲストの出演は伴久一旅館組合長(=伴久ホテル会長)らの発案によるもの。湯西川温泉ではこれを機に、中国との文化交流と中国人インバウンド客の誘致に積極的にとり組む考えだ。
行列の到着地「平家の里」で行った凱旋(がいせん)式で、伴実行委員長は「壇ノ浦の合戦に敗れ、秘境湯西川に落ち延びて貧窮の生活を送った平家一門の武将40人の子孫、600人がいま湯西川温泉で生活している。平家落人が移り住んだという平家伝承地は全国に300カ所あるが、御霊を鎮めるこのお祭りを湯西川温泉が最初に始めた」と平家大祭について紹介。
清盛の甲冑姿の斉藤市長は「平家大祭は日光市の大切な観光資源の一つ。守り、伝え、継続することに行政は今後も支援していく」と力強く約束した。
平家大祭は今年で26回目。平家の落人たちの当時の暮らしぶりなどを紹介する観光施設である平家の里の完成を機に、先祖平家の御霊を供養し、観光誘客の目玉にしようと始められた。
平家の里で行った凱旋式