環境省による、7月からの温泉排水に関する規制強化に温泉事業者の危機感が強まっているが、全国市長会内の「温泉所在都市協議会」(87市で構成)はこのほど、新基準の適用延期を求める要望書を同省に提出した。
同協議会の副会長を務める上野晃登別市長、大幸甚加賀市長、中村時広松山市長、浜田博別府市長が連名で出した。
水質汚濁防止法は01年6月に、事業所の排水規制物質にホウ素とフッ素を追加。温泉を利用する旅館業については同年7月の施行日から6年間の猶予期間が設けられ、暫定排水基準が適用されていたが、今年6月末でその猶予期間が終了する。
要望書は、排水処理機(除去装置)設置には多額の費用負担が必要で、暫定基準が撤廃されると温泉旅館業は廃業の危機に立たされると指摘。その上で、(1)安定的な処理機の技術が開発され、装置の低廉化が図られるまでの間、暫定基準の適用を延長する(2)処理機の低廉化のための技術開発や設置促進に向け、財政支援を行う──を求めた。