東武鉄道(東京都墨田区)は7月31日、トップツアーの全株式を保有する持ち株会社、ティラミスホールディングス(ティラミスHD、同中央区)の全株式を取得し、子会社化することでトップツアーを傘下に収めることを発表した。東武グループには旅行会社として東武トラベルがあるが、今回の買収により2012年度の旅行取扱高ランキングは、2社を単純合算すると12位にランクアップする。
東武鉄道とティラミスHDの親会社の企業投資ファンド、ポラリス・キャピタル・グループ(同中央区)の発表によると、東武鉄道は7月31日の取締役会で取得を決議し、取得契約を締結した。8月30日にポラリスから株式譲渡を受ける予定になっている。取得価格は公表していない。
今回の買収は、観光事業の一層の強化を目指す東武と、トップツアーへの投資から6年近くが経過し、企業価値を高めて売却することで利益を確定させたいポラリスの意向が一致したことから実現した。
東武はリーマン・ショックや新型インフルエンザ、東日本大震災といった経営リスクが続いたにもかかわらず、安定した収益基盤を構築したとして、トップツアーの実績を高く評価した。
当面の間、トップツアーは現経営陣による体制や組織を維持し、社員の待遇にも変更はないとしている。
トップツアーは1956年1月、「東急観光」として創業し、東急グループの旅行事業の中核会社として存在感を示した。04年に企業投資ファンド、アクティブ・インベストメント・パートナーズ(現DRCキャピタル)の傘下となって東急グループから離脱、07年にポラリス・プリンシパル・ファイナンス(現ポラリス・キャピタル・グループ)に移った。創立50周年を迎えた06年1月、「トップツアー」に社名を変更した。